番外編:01 孤独なる神の日常
残酷な話だが、子供を育てるには手間がかかる。
その上、子供はほぼ役に立たない。
特にこの時の場合、役に立たず手間がかかり、また産めばいい子供よりも、宇宙規模次元跳躍超長距離亜光速航行システム搭載型三一〇四式参改航行機の技術や知識、労働力を持つ大人の方が優先された。
この種族は子供が少なく、この時には一人しか居なかったため、罪悪感も薄かったのだろう。
一人なら乗せてけば良いと思うかも知れないが、とても冷静に考えられる状況では無かった。
結果、宇宙規模次元跳躍超長距離亜光速航行システム搭載型三一〇四式参改航行機は墜落し、生き残ったのは宇宙規模次元跳躍超長距離亜光速航行システム搭載型三一〇四式参改航行機に乗っていないその子供だけだった。
先程から宇宙規模次元跳躍超長距離亜光速航行システム搭載型三一〇四式参改航行機という長ったらしい名前を連呼していますが、良い略称が思いつかないのでこのまま宇宙規模次元跳躍超長距離亜光速航行システム搭載型三一〇四式参改航行機を連呼しようと思います。
といっても、この先殆どこの名前は出てこないと思いますが。
生き残った唯一の存在である少女は天才だった。
教わる相手がいないにもかかわらず創造の力を使いこなして見せた。
通常、創造の力を得るには長い時間をかけて研鑽を積んだ者の中で、数千人に一人が得る力だ。
それを、産まれて間もない赤子がやってのけたのだ。
食料を、周囲の物から作り出して彼女は生き延びていく。
やがて、膨大な力を得たその少女は、退屈する。
少女は新たな景色を求め、自らをより高次元の存在へと昇華させた。
六次元時空から、
……七次元時空の存在へと。
此処に来れば新しい景色を望めると思った。
違った。
どこにも退屈以外は転がっていない。
ただ、一つ変わったのは。
四次元の世界が観測可能になった。
四次元の世界では、何体も生き物が居た。
皆、夢中になって何かを観て居た。
ソレを観ながら、
泣いたり、笑ったり、
悔しそうにしたり、
嬉しそうにしたり。
どんなモノなんだろう?
そう考えながら反応を観るのは、意外に面白かった。
だけど、100年200年と観る内に、我慢の限界が来た。
アレを観たい。
アレを観ながら、
泣いたり、笑ったり、
悔しそうにしたり、
嬉しそうにしたりしてみたい。
そこからが長かった。
まず最初に、四次元の生き物たちと似た姿に変身出来るようにした。
次に、四次元の文化を勉強した。
たった二行のこの行為に、十万年の時を必要とした。
そして漸く、四次元への初干渉の時が来た。
此方の世界の基盤となっているのは力によって判断される序列。
だから、創造の力を見せつけた。
そうすれば認めてもらえるから。
最初に訊いたのは何時も観ているのは何か、という質問だった。
当然だ。そのために此処に来たのだから。
それに対する返答は、自分達で作った三次元の世界、ということだった。
そうか。
作れば良かったのか。
そうして、面白い世界の作り方を学ぶため、ボクは暫く四次元に住むことにした。
四次元世界にナナシ参上!




