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ハカナキ  作者: 梅屋凹州
【短編】拝み屋の話すこと

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39/63

事故物件、査定します

 お盆を直前に控えた、蒸し暑い夏のある日。


 千臺(せんだい)で不動産業を営む佐々木さんが、坂木邸を訪ねてきた。


 佐々木さんは三十代の小柄な男性。顔が小さく、肩幅が広く、身長のわりに足がすらりと長い。遠くから見ると、頭のついた二等辺三角形が立っているように見える。

 七三ヘアーと黒縁眼鏡がよく似合っている佐々木さんは、不動産業というより銀行か役所勤めをしているような印象を受ける。だが本人にとって、「不動産業は天職」なのだという。


 実際、佐々木家は親子三代続く不動産屋だが、当代の佐々木さんで大きく業績を伸ばしたらしい。

 さもありなん、と私は思っていた。いつ見てもピカピカの黒の国産車を乗り回し、皴一つないきっちりとしたスーツ姿で現れる佐々木さんを見ていると、納得できるのだ。


 その日も、佐々木さんは、相談予約をした日の朝の九時ピッタリに、坂木邸の呼び鈴を鳴らした。

 出かける準備している坂木とやゐ子婆に代わり、私が応対する。

 屋敷の門の前で待っていた佐々木さんは、私を見つけると、ごく自然な笑みを浮かべた。


「これは、不来方さん。お久しぶりでございます」

「佐々木さん、おはようございます。今年も時間どおりですね」


 私が佐々木さんと会うのは一年ぶりだったが、予想通り、真夏だというのにきっちりと背広を着込んでいた。

 佐々木さんは慇懃にお辞儀をしたあとで、手土産の入った紙袋を渡してくれた。千臺にある有名な菓子処の柚餅子(ゆべし)だ。


「本日はひとつ、よろしくお願いいたします。つまらないものですが、こちらをどうぞ」

「いつもどうも、ご親切にありがとうございます」

「いえいえ! 先生には祖父の代からお世話になっていますので、これぐらいは」

 ――先生、かぁ。

 私は佐々木さんを屋敷に案内しながら、心のなかで感服していた。いくら毎年世話になっているとはいえ、あのオレンジ頭の怪しげな拝み屋を先生と呼ぶ佐々木さんの器量というか、几帳面さには頭が下がる。


 奥座敷に通された佐々木さんは、なかで待っていた坂木と短くやり取りを交わした。

 ほどなく、二人揃って座敷から出てくる。前もって出かける準備していた坂木は、外行用の和装と円高帽姿だった。

「んで、行ってくっからよ。曜、やゐ子ば頼むな」

「うん。いってらっしゃい」


 私に短く言伝をすると、坂木は佐々木さんの車に乗りこんでいった。カクカクとした形の国産車は、模範的な運転で千臺方面へと向かっていく。


 車が遠ざかった頃、私は同じく坂木を見送っていたやゐ子婆に話しかける。

「今日も、一日がかりになるんだよね? 佐々木さんの依頼。帰りは遅くなるのかな」

「たぶんねぇ。夕方っ頃には、戻ってくるでしょう」

 やゐ子婆はのんびりと言った。


 佐々木さんは毎年、坂木のスケジュールを丸一日押さえ、坂木を連れて街へと出掛けていく。詳細は、聞いたことがない。目的地は千臺市内だというが、それにしても長丁場だ。


 やゐ子婆が目を細めて言う。

「んで、今晩は“しらふじ”さんのお寿司だねぇ」

直会(なおらい)だね。じゃあ、特上十人前、“しらふじ”のハル先輩に電話しておくよ」

 屋敷に戻った私たちは、これも例年どおりの、夜の直会のための準備に取り掛かる。



 やゐ子婆の予想どおり、日が沈む前、坂木と佐々木さんは坂木邸に戻ってきた。

 扇子を仰いで涼しい顔をする坂木とは対照的に、佐々木さんは上着を脱いで汗を拭っていた。

「いやぁ、今日は暑かったですね。三十度に届かなくて良かった」


 ちょうど、直会の準備を終えた私が玄関先まで出迎える。

「お疲れさまでした。直会の準備が出来ていますので、こちらへどうぞ」

「いつもありがとうございます。ご相伴にあずかります」


 私は佐々木さんを座敷に案内した。

 坂木流の“直会”とは、つまりは宴会のことだ。肉も食べるし魚も食べるし酒もガンガン飲む。名前こそ神道式だが、やっていることは祭りのあとの宴会に他ならない。


 直会の会場として、坂木邸の客間として使っている連なる座敷の襖を開けて通し、長テーブルを繋げてある。

 テーブルのうえには、寿司割烹“しらふじ”の出前の特上寿司十人前と、刺身の舟盛り、ホヤの酢の物、やゐ子婆特製の漬物に野菜の煮物。それにビールや日本酒を並べた。


 その光景に佐々木さんは目を見張って、

「いつもながら、旅館に来たようですね」

 と嬉しそうに言い、上座に腰を下ろした。


 坂木はその隣にどっかりと座り、早速寿司のラップを剥がしている。このオレンジ頭にみんなが集まるまで待とうとか、そういう気持ちは一切ない。むしろ、立ち尽くしている私に、坂木はこう言った。

「曜、やゐ子ばも呼んで、お前らも食え。みんな揃うまで時間かかっからよ」

「うん。じゃあ遠慮なく」

 配膳をしていたやゐ子婆が座るのを待って、私も一足先に寿司を頂くことにした。


 坂木は佐々木さんに「遠慮せず飲んでけらいん」と酒を薦めている。

 佐々木さんも、塩ヶ浦の清酒が気になっていたのだという。辛口の冷酒を呑むと、気にいったらしく、表情を崩してどんどん呑みすすめた。

「いやー、美味い! 塩ヶ浦の酒は実に美味いですね!」

「んだ。いっぱい呑まいん。車もうちさ置いていっていいからさ」

「そうします!」

 佐々木さんは坂木に薦められるまま、上機嫌に酒を呑み、あっという間に一つ目の徳利を空にした。


 そんな二人の姿を見て、やゐ子婆は楽しそうに笑っている。

「あらぁ、うちの呑ン兵衛サンとも気が合いそうだごと」

「やゐ子婆、その“呑兵衛”はいつ帰ってくるの? 神社の仕事はもう終わったでしょ?」

「習字教室、まだ閉まんねんだって。先に食べててください、って」

「そうか。うちの子たちも、長舟が仕事から戻ってきたらみんなで来るって」


 どうやら、本格的な宴の始まりはまだ先になりそうだ。

 この機会に、私はずっと気になっていたことを佐々木さんに尋ねることにした。

「そういえば、一度聞いてみたかったんですが、佐々木さんの依頼ってどういうものなんですか?」

「あぁ、事故物件の査定ですよ」


 やゐ子婆の漬け物と寿司をツマミにすっかりホロ酔いになった佐々木さんは、さらりと答えた。

 私は思わずぱちぱちと目を瞬いて、聞き返す。


「査定?」

「ええ」

 佐々木さん曰く――


 佐々木さんは、千臺市内にあるマンションを数棟、仲介・管理している。

 坂木を呼んだのは、マンション内の心理的瑕疵のある物件、いわゆる「事故物件」を査定するためだった。


 佐々木さんは言う。

「お客様に物件を紹介する際、不動産会社に告知義務があるのはご存知でしょうか。賃貸契約予定のある物件で、以前に事件、自殺、孤独死などがあった場合、心理的瑕疵(かし)があるとして借主様に知らせなければならないのです」

「ええ、それは聞いたことがあります」


 ある程度怪談好きな人間なら、誰でも聞いたことのある話だろう。

 ついでに私は、事故物件について気になっていたことを佐々木さんに尋ねることにした。


「あの、佐々木さん。事故物件の告知には、抜け道があると聞いたことがあるんですが、それは本当ですか? 告知する必要があるのは、あくまで直前に契約していた住人の情報だけ。アルバイトなどを雇って短期間、事故物件に住まわせ、即退去させることで、告知の義務を無くすことが出来るとか」


「仰るとおりです。ですが、不動産屋にとって、そこまでの手間とリスクを取ってまで、お客様に物件を貸し出すメリットというのは、さほどないんですよ」

「へえ?」


「少なくとも、私はデメリットのほうが多いと考えています。極端に賃料を落としてまで、お客様に事故物件を紹介したいとは思わない」

「それは……なぜ?」


 佐々木さんは真っすぐに私を見つめて、

「リスクが多いから、ですよ」

 答えたあとで、桶の氷水で冷やした徳利から、御猪口に注いで呑んでいる。まるでどんどんヒートアップする会話の熱を少しでも冷まして、いつもの冷静さを取り戻そうとしているようだった。


「みなさん、不動産屋がどんな手を使ってでも、不良物件を貸したいと思っている。あるいは、不動産屋は利益を取るためには他人がどうなろうと構わないと冷酷非情の輩と考えてらっしゃるんです。そんなことはない! お客様にとって住みたくない部屋は、不動産屋だって管理したくないんです!」


 そして、と私の前に指を立てた佐々木さんの顔は、完璧に酔っていた。

「一般のお客様は、事故物件による霊障被害まで考えが及んでも、二次被害のことまで考えちゃくれないんです」


「二次被害」

「物件による住人への直接的な霊障は色々考えられますよね。例えば……物が動く、部屋の隅から人の気配がする、夜、寝ていたら上に誰か乗っていた、などなど。そうなると更新まで住んでくださる方なんて、滅多にいない訳ですよ。怖いし、眠れなくなりますからね。全然快適じゃない家に住み続けるお人好しなんてめったにいません。最悪の場合、荷物も置いたまま夜逃げされる方も多い。家賃も払わず、連絡さえつかないこともある。そうなると、管理会社が全部身銭を切って片づけなきゃいけない訳ですよ。家具の片づけ、ゴミ出し、クリーニング、全てです。敷金だけじゃとても足りません」

「それが……二次被害、ですか」

「そうです! それに、該当する物件だけの問題じゃないんですよ。同じマンションの部屋を借りている方も、建物内に曰くつきがあって、さらにそこの住民が逃げたとわかると――まぁ死人が出た時点で、ぼんやりとした噂にはなるんですが――マンション自体から退去される人も多いんです。だから、事故物件を無理に貸して、事を大きくしたくないんですよ! 結果的にこっちも損しますから!」


「なるほど……」

「そこで、先生に毎年査定して頂く、という訳です。ねっ、先生!」

「ん? うん」

 先生こと坂木は、舟盛りのズワイガニの足をコッソリつまみ食いしていた。どうりで一言も会話に加わらない訳だ。カニを食べると、人は無口になる。


「一般の方は、事故物件と一くくりにされますが、よくよく検証してみると、霊障の度合いが違うんです。頭痛がする、夢に出る、写真を撮れば映る、部屋にいると具合が悪くなる、などなど。その後の生活に影響を及ぼすこともよくありますね。そこで、私の祖父が作成した弊社独自の査定表の出番という訳です!」


 佐々木さんは革の鞄から、書類を取り出して印籠のように私に見せつけた。私はそれを受け取り、読み上げた。

「『レベル壱・誰でも住める』。『レベル弐・霊才のある人は感じる』。『レベル参・誰でも感じる』。『レベル四・霊才のある人は住めない』。『レベル伍・絶対に住んではいけない』……。なるほど。物件をお屋形に査定してもらって、霊障がどのレベルにあるか査定してもらう、と」

「そのとおりです。そのうえで賃料の値下げ額を決めたり、場合によってはお祓いしたり、リフォームしたり、賃貸自体を諦めることもあります。例えば――」


 佐々木さんは今日、坂木と巡った物件について語りだした。



 坂木邸から車を走らせること、およそ三十分。

 千臺市内の一軒目のマンションに到着した佐々木さんと坂木は、事故物件と思われる部屋を片っ端からあたっていった。


「ここの三階の角部屋。三〇七号室です」

「うん」

 佐々木さんは資料を読みながら、坂木を案内していく。ちなみに佐々木さんは霊感ゼロで、全く視えないし全く感じたこともないらしい。査定に関しては、坂木の言うことを全て鵜呑みにするだけだという。


 エレベーターで三階にたどり着いた二人は、該当する部屋に向かった。

 その途中で坂木がふいに立ち止まる。

 坂木は、奥の曲がり角をじっと見つめていた。


「先生? どうかしましたか?」

「うーん……。うん、まぁ大丈夫だな」

「はい」

 佐々木さんは手にしたバインダーに綴じた資料に、「問題なし」と書きこんでいく。

 多少、坂木が奇妙な反応を見せても、そこは気にしないことにしている。キリがないから、だそうだ。


 事故物件を一日で全て回るのが精いっぱいで、別日に坂木のスケジュールを抑えるのも厳しいため、それで致し方なしとしているのだという。


 と、こんな具合で、二人は一日がかりで多くの物件を回っていった。


 次に訪れたAレジテンスの一室では、髪の長い女が風呂場に立っていたという。

 坂木曰く、入ってきた二人を、恨めしげに見つめている。だが、

「立ってるだけ。害なし。そのうち消える。レベル壱」

「はい」

 坂木は全く構わずスタスタと通り過ぎた。


 次に訪れたBマンションの一室。

 この部屋で、かつて一人の主婦が殺される殺人事件が起こった。金銭トラブルが招いた怨恨がらみの事件で、容疑者は現在刑務所に入っている。

 犯人が捕まったとはいえ、田舎町で滅多にない殺人事件だ。周辺の住民は、殺された主婦の霊が成仏していないのではないか、と不気味がっているという。


 坂木は部屋を一通り見まわし、

「害なし。……」

 と言ったが、どこかソワソワした様子だったという。

「先生、なにか?」

 佐々木さんに答えず、坂木はおもむろに部屋を横切ると、ベランダのサッシを開けた。

 向かい側にある、Bマンションと似たような作りのマンションのベランダを見て、すっと目を細める。


「よぉ、あの向かいっかわのマンションは?」

「あれは……うちの所有する物件ではないですね。北向きの部屋とは、珍しいな」

「ほぉか」

 と、坂木は頷いたあとで、こう言った。


「向こう側のベランダさ、悪いのがいるな。何階のどこの部屋っつうんで()くて、全体的……多くのモノ、影が、()()()()()()()()()()()


 佐々木さんは、向かいのマンションに目を凝らした。

 佐々木さんの目には、定規で一直線に引いたような、一般的な集合住宅のベランダが見えるだけだ。真っ白なシーツや、子供用のアニメTシャツが干され、夏日を受け止めている。どこにでもあるマンションの光景だ。坂木の言うようなものは、とても見当たりそうになかった。


「ベランダを覆っている、黒いモノ……ですか」

「うん。ちゃんと視なくていいべ?」

「……ええ。そうですね。うちの管理物件ではないので」

「このマンションからも、たまに視えるかもししゃねな。住む人さは、それとなく注意しといた方がいいな。夜、ベランダにはなるべく出ないこと。向かいっかわのマンションの部屋を見つめないこと」

「はい」

 部屋自体はレベル壱。ただし、隣のマンションに障りがあるため、判定はレベル参とされた。


 次に訪れたCアパート。老人が孤独死した部屋で、坂木は眉をしかめた。


 状況としては、事件や自殺より、無害なように思えるが――

「ここは駄目。ぜったい、駄目だ。レベル伍。寂しすぎて、他人(ひと)ば連れていこうとする」

「それでは、貸すのはやめましょう」

 佐々木さんは即決した。


「うん、ここにいるのは、祓ってもなかなか出ていかねぇと思う。少し時間置いてみっか。あと、来年になったらまた査定すっからよ」

「はい、お願いします」

 佐々木さんは赤ペンでメモをした。明日になったら大家に連絡を取ること。隣人に悪影響がないか、それとなく聞き込みをするように、と。



「……という訳です」

 このように、佐々木さんは話を終えた。

「へぇ。面白そう。ぼくも足が悪くなければついて行くんだけど」

 私は佐々木さんの話にすっかり聞き入っていた。興味深い話を肴にしているうちに、コップのなかのビールもすっかり空になっている。


「ぜひ、不来方さんもいらしてください。エレベーターのある物件ばかりですし、良い勉強になりますよ」

「そうします。来年はお邪魔させてください」


 私と佐々木さんが盛り上がっていたところで、玄関のほうから騒がしい声が聞こえた。

 柳原家三人と、坂木家の呑兵衛がやってきたのだ。

 時計を見ると、時刻は夜六時を過ぎている。私は、ずいぶん長く佐々木さんの話を聞いていたようだ。


「あっ、みんな来たかな?」

「おれ迎えさ行っからいい。つまみ取っさ行くついでだ」

 カニを綺麗に平らげた坂木が席を立つ。


 それを見計らうようなタイミングで、佐々木さんが声を潜めた。

「……あの、不来方さん。実は帰り道、先生が気になることを言ってまして……」

「気になること?」

「ハイ。そのときは、あまり深く聞けなかったんですが、今になってどうしても気になってしまって……不来方さんにお伺いしてもよろしいですか?」

「ぼくにわかる範囲でなら」

 赤ら顔になっていた佐々木さんは、正座をして姿勢を正した。


「こんなことが、あったんです……」


 予定していた全ての事故物件を査定した帰り、佐々木さんと坂木は車で塩ヶ浦までの帰路についていた。


 運転する佐々木さんは、混んでいる国道を避けた。地元の人しか通らないような小道を通ってショートカットする。外回りの多い佐々木さんにとっては慣れた道だった。


 しかし――。

「待った!」

 とある団地に差し掛かったとき、坂木が急に世間話を止めて声を張った。


「は、はい!」

 佐々木さんは慌ててブレーキを踏んだ。

 坂木は車の窓を開けて、目の前にある集合団地を見上げた。その視線は、今まで佐々木さんが見たことがないほど鋭いものだったという。


「ここ、なんて土地や?」

 坂木が固い口調で問う。突然のことに戸惑いつつも、佐々木さんは地名を答えた。

 坂木は、顔をしかめて呟いた。


「……なして、こいな土地に団地建てんだか……」

 その口調は、佐々木さんがフォローを入れる余地もなく、呆れかえっていたという。

 だが、坂木はそれ以上何も言うことはなかった。佐々木さんも戸惑ったまま、車を走らせてその場を後にした。



「そのとき、詳しく聞けなかったんですが……ふと、父から聞いた話を思いだしたんです。世の中には、住んではいけない部屋、では済まない、住んではいけない土地、というのがあると。……霊感のない私にはわかりませんが、そうだとしたら、住んではいけない土地に、すでにマンションを買っている人は……いったいどうなってしまうんでしょう」


 不動産屋として、心配になるんです。

 不安そうに言う佐々木さんに、私は何も言うことが出来なかった。


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