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6月
6月。
この前、そこそこ大きな大会があった。
俺も何試合か出させてもらったので、ちょっとはかましてやろうと思ったが、正直無理ゲーだった。
速さも正確性も高さも持久力も別次元。
そんな選手がごろごろいた。
ガードとしてもシューターとしても中途半端なプレイしか出来ず、先輩方には迷惑をかけてしまった。
「いや、あんだけスリー決めた奴が言うと嫌みに聞こえるぞ。」
金髪童貞が何かをほざいている。
「ひとりで決めるには限界がある。先輩がサポートにまわってもらえなければ入ることはなかったシュートだ。」
「プレイで実力差を見せて、サポートにまわらせたんだろうが。」
ほとんど負けてしまったことで金髪童貞くんがぶつぶつしつこいが、大会自体は楽しかった。
やはり、バスケットボールで強敵と出会うことは、女の子からの賞賛の次にうれしいことだ。