約束の女の子
はぁ。結局クラスでは「前まであんなに仲が悪かったのになんで恋人になれたの?」とか「おめぇずるいぞぉーどんな手段使ってマリカちゃんをおとしたんだよ!」などの言われようだ。
恋人じゃない!って言いたい…
「ねぇ。あんたこのままでいい訳?」洋介を中心に「お前ら一緒に帰らないのか?」と大人数に言われマリカと帰っている中、呆れた顔で聞いてきた。
「いい訳ないだろ…このまま二年間ずっと恋人として生きていくなんてお前もヤダろ?」
「やに決まってるじゃない!!だけどあそこまで信じこんでるのに嘘でしたーなんて絶対に言えない!言うならあんたが言いなさいよね!」
俺も絶対に言えない。
俺の家の前の分かれ道で俺らの帰り道はわかれる。
「じゃあね!クソダーリン」なんだその呼び名は!?
「じゃあな!クソ暴力女!」俺らは「べー」と睨みあい歩き出した。
一瞬マリカが笑ったような気がしたが気のせいだろう。
俺は真っ直ぐ家に帰り家のドアを開けると
「おかえりなさいませぇ!坊っちゃん!マリカ様とはどうでしてぇ?」その事を聞くな!と思ったが答えないと疑われるので
「学校でもイチャイチャしたぜ!」
「さすが坊っちゃん!」
意味もないやりとりを繰り返した俺は部屋のベッドに倒れ込んだ。
疲れたぁー。
これが毎日続くとなると…考えるだけで恐ろしい。
洋介にはこの事言っても言いかもなぁ。
あいつ、他の奴に言ったりしないし…
まぁ今言ってても何も変わんない事だしそろそろ寝るかー。
俺はそれから一瞬で眠った。
「陸…陸…大…好き……」久しぶりにこの夢を見たなぁ。
昔の彼女なんか忘れた方が良いかも知れないが…
「陸…これ…ペンダント…もし…私達が…数年後…いや、会える時まで陸が…このペンダント…を持ってて…くれたら…結婚…しよ?」
「分かったぜ!」結局誰なんだろう?
次の瞬間名前を言った気がしたが…
夢から覚めてしまった。
「いいところでぇぇぇぇ!」朝っぱらから叫ぶと廊下をバタバタと走る音が聞こえ
「どうしましたぁぁ!坊っちゃん!そんなに叫んで」
「いや、なんでもない」恥ずかしい……
毎回これだ夢では名前を言ってる気がするのに…
現実では全く思い出せない。
まぁいつか会えたらいいな。とペンダントを強く握った。