マリカとのデートの巻1
何で俺があんな奴と恋人に…
考えても仕方がない事だとは分かっていても考え込んでしまう。
恋人になる事を拒否すれば2つの勢力が全面戦争してしまう。
それだけは避けなければいけない事だ。
でもなぁ。あんな奴と上手くやって行けるはずが無いし…
ピンポーン…「陸くんいらっしゃいますか?」
朝っぱらから誰だよ…。玄関のドアを開けると。
「おは…よう陸く…ん」言いたくも無さそうなセリフを言うマリカ。
てか後ろに強面なタキシード着た人いるし。
「なんだ?お前。こんな朝から」マリカの奴。俺の事陸くんって。
「えぇーと。急で悪いんだけど今からデートしましょ!!」
顔を真っ赤にして。恥ずかしそうに言った。そしてこちらに小走りでよってきて。
「私の後ろにタキシード着た人いるじゃない?あのポケットの中には拳銃が入ってるの」拳銃!?何でそんな物騒な物を。
「私達が偽物の恋人だとバレたらエライ事になるわ」そうか。マリカの方の人達は本物の恋人だと勘違いしている訳か…。
「だから。今だけ、本物の恋人みたいに演じなさい」マリカは手を押さえて言う。
「おう!分かった。今だけな」語尾を強調した声で言うと。
「当たり前でしょ!誰があんたと恋人ぽいことするかっつーの」
これが普通だ。
「では行きましょ!陸くん!」
「行こうか!マリカ」以外と言ってみると恥ずかしい。
俺らは歩き出すとマリカの後ろにいたタキシードの人達もいつのまにか居なくなっていた。
「ねぇ陸?」歩きながら聞いてくる。
「なんだ?」
「私あそこにあるチョコ?バナナって奴食べてみたいんだけど」
まさかチョコバナナを知らないのか?
「買ってみれば?」何故こっちに目を向ける。
「買って?」何だって?俺がお金払ってお前のためにチョコバナナを買えと。
「は?」
「あんた。私の彼氏でしょ?そんぐらい当然じゃない?」
ムカつく女だなー。
「てかあんた気づいてないの?ずっと監視されてる事」マリカは動きを止めた。後ろを振り返って見まわしてみると電柱の裏、
建物の裏などあらゆる所に潜んでやがる。
「ほんとだ…」なんで監視何かするんだ?。
「やっぱり恋人なのか疑問に思ってるみたい」俺はチョコバナナ屋に向かいチョコバナナを2つ買った。
「じゃあここらへんで恋人っぽいことをするしかないって事ね」
「そうだな…じゃあほれ!あーん」おれは買ってきたチョコバナナをマリカの口もとに近づける。
「ちょっとあんたね…私が食べさせてもらうとでも思って…」
最後まで言わせるか!っと思い無理やり口の中に入れる。
「ほら!うめぇだろ?」マリカは頷く。
てか一口デかぁ!食べる気あったろ絶対。
「上手いわね!チョコバナナって」そうだろぉー。分かってくれたかマリカ。
「そろそろ行きましょ!次は映画ね!」へいへい。っと俺は頷く。