逆転世界のオフィス
今回は少し話しが飛んで、ちょっと未来の話、主人公は社会人になってます・・・
僕はお尻に違和感を感じる。
痴女だ!
慌てて一般車両なんか乗るんじゃなかった。一本見送って男性専用車両にしておけばよかった。
痴女の手は大胆にもスカートの中から前側に入ってる。
恐い。男の子が声を挙げるなんて、とても無理。
ドラマだったら、ここで素敵な女性が助けくれるところだけど、誰も気づいてくれない。
駅について、僕は赤いスカートマークの男子トイレに飛び込む。スカートを捲ってパンティーを降ろす。やだ!もう、ベトベト。僕は素早く男性用ナプキンを交換し、エチケットボックスに捨てる。男性用ビデを使ってペーパーで拭く。ふう、やっと一息ついた。
もう、痴女なんて、なによ!
会社の更衣室で僕は事務服に着替える。ブラウスにタイトスカート、靴もハイヒールにはきかえる。うん、決まってる。僕は気持ちを切り替える。
給湯室で僕はお茶くみの準備。もう、男子社員は交替でお茶当番があるから大変。
湯呑みを間違えないよう配っていく。きゃあ!女子社員にお尻をさりげなくタッチされる。でも、これぐらいのセクハラぐらい我慢する。
席について、ペアの女子社員が取ってきた契約の補助作業の入力業務。
あーあ、 子供の頃はオフィスメディーのお兄さんって綺麗な制服をきて颯爽と仕事をしているイメージに憧れてたけど、実際は 、電話受付したり、コピーやfaxをしょっちゅう頼まれたり、来客のお茶出しなんかもあって、男子社員って細かい仕事が多くて結構忙しい。
女子社員は外出できるし、電話受付とかコピーやfaxは男子社員任せでいいから仕事に集中できるし、お給料も多くて羨ましい。男子には昇進だってないから、いつまでたっても女子社員の下で、補助業務だし。
あっ、いつの間にかお昼。僕達男子は早番、遅番で交替でお昼をとる。早番だとお店が空いていて気持ちいい。
早番の男子グループで今日はイタリアン。メニューに迷ったけど結局メディースセットにする。小振りな二種類のパスタにパンとサラダ、食後にミニケーキと紅茶がつく。こういうとき、男子って嬉しい。おしゃべりに夢中になっていると、もう一時間。
午後は女子社員が出払っていて結構余裕だ。三時、おやつとお茶タイム。男子社員だけの気軽さから、おしゃべりしながらまったり仕事できる。
5時になった。女子社員を尻目に、僕達男子は定時で帰る。何たって今日は映画がメディースデーなんだもん。
映画の後は男子会。恋バナや噂話、ドラマやファションで盛り上がって楽しい一時。でも最後はやっぱり陰口。男の子の嫌な部分だ。
週末はデート。
彼女がテーブルに残したタバコの箱から一本失敬する。
「こら、男の分際で生意気するな!」
僕は口元からタバコを取られて、鼻を軽く弾かれた。
そして、彼女はそのタバコをそのまま口にくわえる。嬉しい、間接キスしてくれた・・・
【メディ、メディースデイ】
メディとは現実のレディの男性版です。
メディースデイといえば、映画館等で男性向け割引がある日です。
また、「メディースアンドジェントルウーマン」は紳女淑男の皆さんと言う意味となります.