あいつとデート
【夫の心得】
一、夫は妻を主女として敬い、よく従うべし
二、夫は礼儀を正しくすべし
三、夫は貞節をよく守るべし
四、夫は内助の功を立てるべし
五、夫は質素を旨とすべし
ボクは道すがら、夫の心得 を唱えながら歩いていた。でも、ちょっとゆっくりしすぎたようだ。
まずい、待ち合わせに遅れる。駅前の広場めがけて走る。ふわっ、ボクのスカートが風でめくれそうになる。
パシッ!
ボクは、軽く頬をぶたれる。
男の分際でデートに遅れたからだって。
酷い。
でも、ボクはすぐに許しを請う。だって、男の子は素直が一番だって言うでしょう。
ボクは顎を持ち上げられて、突然キスされる。顎クイッってやつだ。嬉しいサプライズ。
そういえば、ファーストキスも強引だったなぁ。あいつったら壁ドンで告白してきたと思ったら、ボクの両手首を掴んでキスするんだもん。もう、ファーストキスは観覧車で夕日を見ながらって決めてたのに。
お昼。ボクは彼女の膝に乗って、作ってきたお弁当を彼女に食べさせる。はい、あーん。彼女の頬に米粒発見。「あっ、お弁当~」ボクは指で米粒をとって自分の口へ。
すると、彼女はお茶を口に含むとボクに口移しで飲ませてくる。
ボクは彼女に縋り付くように抱き着いて、彼女の首の後ろに手を回す。
蕩けるようなキス。
夕日が見える公園で、ボクは目を閉じるように言われる。
彼女はチョーカーをボクの首に付けてくれた。
嬉しい!
サプライズプレゼントだ。
感激したボクは、彼女の胸に飛び込んで背伸びキス。
これって、まるでプロポーズされたみたい。
家に戻っても、まだドキドキする。
彼女の名字にボクの名前を繋げてみたり。結婚式の誓いや、夫の心得を呟いてみる。
それから指先にキスして、その指をそっとチョーカーに当てた。
でも本当はチョーカーじゃなくて、早く本物の首輪を嵌めたいな。だって結婚首輪は男の子の憧れなんだもん。彼女の前にひざまずいて愛と貞節を誓って足にキスすると、彼女は優しく結婚首輪を嵌めてくれるの。そしたらボクは、爪先立ちして背伸びキス。その後、ボクは彼女に首輪のリードを引かれて広場に出ると、抱っこされながらキスされてブーケトスするの・・・