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結婚式
「汝はこの者を妻として迎え、病める時も健やかなる時も、妻を愛し、貞節を守り、よく従うことを誓いますか?」
「はい、誓います」
神父さまは彼女の片足を洗って宣誓台に乗せる。
ボクはひざまずいて彼女の足にキス。
ヒヤリ。
首筋に冷たい金属の感触。
彼女が、ボクに結婚首輪をつける。
「カチッ」
首輪の鍵をかける小さな音。 銀色に輝く愛のしるし。
ボクって、本当に彼女のものになったんだぁ。
ボクは一生この音を忘れないだろう。
立ち上がって正式なキス。
万雷の拍手。
二人は手に手をとって建物の外へ。
そして、彼女にお婿さん抱っこされてブーケトス。
ボクは指先にそっとキスして、その指を首輪に押し付けた。
愛しています、ご主女さま。
【結婚首輪】
結婚した男性がつける首輪です。
通常は結婚式で愛と貞節と服従を誓った後、妻に着けてもらいます。
【ご主女さま】
夫が妻を呼ぶときの尊称です。
「ごしゅじんさま」と読みます。




