表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/24

三従四徳、従徳学院~高校時代の思い出~

今回は少し話が飛んで、主人公が結婚した後、高校時代を振り返るお話です。


「さんじゅう~」

「しとくっ」

「「じゅうとく!!」」

高校時代の先輩だった美夫ミオさんとハイタッチ。

今日は、美夫さんとお昼過ぎのお茶会です。

いつもボクのグチや相談事を、やさしく聴いてくれる美夫さん。

今では、少し年上の親友のような存在です。

中学を卒業した後、ボクは第一志望の公立が受からず、止む無く第二志望の私立高校に通うことに成りました。

先ほどの『さんじゅう、しとく、じゅうとく』っていうのは、その高校時代、応援のとき使ったフレーズ。

「三従四徳、従徳」といって、ボクたちが通っていた私立従徳学院の校訓でもありました。

当時美夫さん達と一緒に応援したころをつい思い出してしまいます・・・



「フレー、フレー、じゅうとく!ガンバレ、ガンバレ、じゅうとく!、ガンバレ、ガンバレ、じゅうとく!」

今日は、全校生徒が野球部の応援に借り出されています。

元男子高だった従徳学院ですが、今ではスポーツ特待で入学した女子をメインに男子も結構います。

共学になったのに男子教育の『三従四徳』の校名なんて、女子は気にならないのかな。


三従・・・親、妻、子に従う、というアレです。

四徳・・・男性の備えるべき四つの徳。夫徳・夫容・夫言・夫功 といって、 

     夫徳:男性の心立てが善いこと

     夫容:男性の身だしなみが善いこと

     夫言:男性の言葉遣いが善いこと

     夫功:男性の務めに励むこと


だとか、少し古臭く感じます。


今日の相手は貞淑学園、同じく元男子高でライバル校です。

女子達は学ラン、ボク達男子は、チアリーダーの衣装を着て応援です。

ミニスカートにアンスコ。

今風のコスパンじゃなくてアンスコなんです。でも、こっちのほうがフリルがあってかわいい。

「さんじゅう~」

「しとくっ」

「「じゅうとく!!」」

ボク達は足を高く上げて決めポーズ。

いつの間にか集まってきた、にわかカメラマンがローアングルで構えます。

バカだなぁ、下着じゃないんだよ、アンスコって言って下着の上に着るから、ハーフパンツやスパッツと同じなのに。

女子達にはやっぱりパンツに見えるのかな。

そんなに見られると、なんだか少し恥ずかしくなってきます。

女子達って、もう野球の応援なんか関係ないみたい。

     挿絵(By みてみん)


あと、思い出すのは、マナー研究部。

男子高時代の元生徒会用の別館だった建物。

当時はマナー研究部の部室で、ボクと美夫さんの出会った場所。

上品な手つきで紅茶を淹れてくれた美夫さんに、ボクは魅了されてしましました。

そして、少しふざけながら気取って行なう、カーテシーの挨拶。

     挿絵(By みてみん)

まるでフランス貴族のサロンみたいな雰囲気。

ゆっくりと過ぎて行く時間が心地よかった。

小説のように秘密の契りをした訳ではないけれど、美夫さんとボクの心は深いところで繋がっていきました。

高校卒業後は二人とも、付属の短大へ入学。

就職先は別でしたが、二人とも結婚した今でもお付き合いは続いています。


昔のように、美夫さんはボクにお茶を淹れてくれました。

「ああ、美味しい、さすが美夫先輩」

いつのまにか、呼び方が昔に戻ってしまいます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ