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第弐話 東京エリア

フェアリートランス第弐話です。

弐話からは新キャラを登場させました。

文章力がないけど(´;ω;`)

どうぞ読んでください。

誤字や表現におかしなところがありましたらコメください。


注意

小説内で料理を作る場面があるのですが作り方に関しては親の作り方やテレビでやっていた作り方を参考にし家で作った事のある作り方を参考にしておりますがこの作り方が正しいとは限りませんあくまでも拙者個人の作り方なのでご了承ください。

一応美味しいですけど。

俺がフェアリートランスを会得して3日が経った朝。

俺はいつもの布団から起きて朝食を作ろうとした。

一週間前の話し合いで毎週月から金は俺がご飯を作りそれ以外は霸瑠が料理の練習も兼ねて作ることになった。

比較的に俺の方が多いが霸瑠に料理を作らせると……思い出しただけでも恐ろしい……

今日は水曜日だから俺が作る日だった。

俺の家は親の不在が多いため、自分でご飯を作ることが多い。

「えっとー、味噌汁の塩加減はこのくらいっと」

俺はせっせと味噌汁やだし巻き卵を作り、霸瑠のやらない味見をし味を確認。

「よし、上出来だ」

俺は出来た料理をテーブルに運んだ。

俺と霸瑠、テレスとアリスの4人分のご飯と味噌汁を置き、真ん中に卵焼きと昨日の残り物のきんぴらごぼうを置いた。

ちなみに妖精の2人は体が小さいため食べる量も少ない。

普通の一人分の皿と比べてテレスとアリスの皿は7分の1の大きさだ。

それはそうとしかしこんなにいい食材や調味料はどこから持ってくるんだ?

俺が気づいた時にはいつも補充されてるし。

こんな廃棄ばかりの街で野菜を育てたり肉を作る場所はあるのか?

後で霸瑠たちに聞いてみるか。

「宍戸くん。おはよ」

霸瑠が眼をこすりながら起きてきた。

「おお、おはよ。霸瑠」

続いてテレスとアリスが起きた。

「おはようございます。宍戸さん」

「おはようございますなのです。淳夜くん」

二人も少し眠たそうに挨拶をする。

「二人とも、おはよ」

「あ、今日も美味しそうな朝ごはんですね」

テレスが朝ごはんに目をつけた。

俺たちはそれぞれ自分の茶碗の前に座った。

「いただきます」

俺たちは声を合わせて感謝の言葉を言った。

そして朝ごはんを食べ始めた。

「淳夜くんの作る料理はどれも最高です。特に今日はこのだし巻き卵。口の中に入れた瞬間、口の中に卵の甘味とだしの塩っぱさがマッチしているのです」

アリスはだし巻き卵を食べながら俺の料理を褒めてくれた。

「宍戸さんは料理が上手ですよね〜霸瑠さんとは大違い♪」

「わ、わたしだって頑張って練習してるもん」

「え〜練習? 人を殺す練習ですか〜?」

「違うわよ!」

テレスと霸瑠がじゃれあっている。

「あ、そうだ、霸瑠。ちょっと聞きたいんだが」

「ん? 何?」

「この食材って何処から持ってくるんだ?」

「あー、ちょうど今日その食材を調達しに行くから一緒に付いて来て欲しかったんだ」

「調達しにって、どこに行くんだ?」

「私たちに食材をくれる人のところ」

「人? この世界にお前達以外にも人がいるのか?」

「うん、凄く少ないけど、一応私達以外にも人は住んでるよ」

「へー、どんな人なんだ?」

「あ……それは、会えば分かるよ……」

「そうか」

霸瑠は俺に何か隠し事をしているようだが。

ま、いっか。

俺達は朝食を済ませると出かける準備をし食材調達に向かった。

外は相変わらず荒廃していて人が住んでるところなんて無さそうに見える。

「なあ、もしかしてあの部屋の電気とかガス線もその人がやってくれてるのか?」

俺は今まで気になっていた電気とガス線についても聞いてみた。

「そうだよ、あの人には結構色々とお世話になってるんだよね」

「ほー、いい人なんだな」

「うん……いい人なんだけど……」

また何かを隠しているようだ。

「なあ、さっきから何か隠してないか?」

「え? いや、何も、えへへ」

少し焦ってる様にも見える。

俺達は15分ぐらいしゃべりながら歩いた。

「だから元の世界には色々なお店があって……」

「へぇー、なんだか楽しそう……あ、ここだよ。」

俺の前に見えたのは5階建ての建物だった。

見たところ1階の中は物が色々置いてある部品屋かなにかみたいだ、建物の横の階段にポストが沢山あることから2階からはアパートになっているのだろう。

建物の自体は本部のマンションと違い修復されているみたいだ。

ん? 待てよ。

「なあー、この建物の方が住みやすいと思うんだがなんであんなおんぼろマンションに住んでいるんだ?」

「そ、それは……ちょっと住みたくない理由が……」

「住みたくない理由?」

「そんなことより早く入ろ……宍戸くん先に入って」

「え? 霸瑠が入ればいいんじゃないか? 俺は初めてだし」

「早く入るのです!」

アリスが思いっきり俺の背中に突進してきた。

「うわあ」

背中を押された俺は店の入口を入った所では転んでしまった。

「いってーな……何するんだよアリス!」

俺は立ち上がりながらアリスの方を向いた。

「早く入らないのが悪いのです」

たくーしょうがねーな。

入ってしまった以上しょうがないか

「あのーすいませーん」

俺は普通の声で店の奥に向かって呼んだ。

しかし返事が帰ってこなかった。

「すいません!」

俺は大きな声で叫んだ。

するとカウンターの下の方から金髪のオールバックで化粧をした男の人が出てきた。

「あら〜いらっしゃい♥」

なんだ!?

「あら〜初めて見る顔ね♥」

「いや、えっとー……」

「ん〜♥可愛い子ね♥」

喋り方や外見からしてこの男の人は間違いなくオカマだ。

此処はオカマバーか何かか?

これは怖くて冷や汗が出た。

「あ、小澤さん。こんにちは」

入口から霸瑠が入ってきて頭を軽くさげた。

「あら、霸瑠ちゃんじゃない。いらっしゃい」

オカマの男と霸瑠は知り合いみたいだ。

てか、もしかして霸瑠が言ってた、人ってこの人か?

なんか隠してるなとは思ったけど……まさかオカマとは……

「宍戸さん。驚きました?」

「それは驚くさ。リアルなオカマ見るのは初めてだからな」

漫画やテレビでオカマを見たりはしていたけど目の前にしたらこんな感じなんだ。

迫力すげー。

「霸瑠ちゃん。この人誰なの?」

「あ、この人は何故か表の世界からこの世界に送られてきた。宍戸淳夜くん。」

「あら♥宍戸くんって言うのね。本当に可愛い子♥」

俺は少し後ずさりをした。

できれば帰りたい。

「宍戸くん。この人はいつも食料や本部にガスや電気を送ってくれている。小澤美津子さん。こう見えて結構すごい人なんだよ、修理や食べ物調達もしてくれていつもお世話になっているの」

「よろしくね、宍戸くん♥」

小澤さんは俺にウィンクした。

俺はさらに後ずさりした。

やべぇ、吐き気が

「う……ガスや電気ってもしかしてわざわざガス栓や電線を引いてるのか?」

「そうよ♥。私は修理や物作りが得意なの。だから宍戸くんも何かあったらなんでも言ってね。うっふん♥」

「あ……はい……」

なんか少し慣れてしまったか?

人間て慣れてしまえばどうってことなくなる怖い生き物だ………

「小澤さん今日は食料を貰いに来ました」

「あら〜今回は随分早いわね」

「すみません。一人分増えってしまって」

「なるほどね。宍戸くんの分が増えたと、となると一人分増やさなければいけないみたいね」

そんな話をしているとテレスが話に割り込んできた。

「まあー霸瑠さんが人を殺す練習が増えた事も原因ですけど」

「な、何よ! 人を殺すって!」

霸瑠はテレスに向かい怒り出した。

まあー確かにあの練習のせいで食料が無駄になってる気が……

「まあー、相変わらず霸瑠ちゃんと妖精の2人は仲がいいわね。食料を持ってくるから待っててね」

と言うと小澤さんは店の奥の方に入っていった。

「なあ、アリス。小澤さんって何処から食料を仕入れてるんだ?」

「私も良く分からないのですが、この店の奥に空気や水、太陽光を利用して食料が作らるという秘密の機械があるそうです」

なんだ、その未来から来た青いロボットが持ってそうな機会は……

約5〜6分経つと奥の方から小澤さんがダンボールを3つ持ってきてカウンター外の地面に置いた?

「お待たせ。よいしょっと」

一つ目のダンボールには小麦粉や米つまり体を動かすために必要な黄色の食べ物が入っていた。

二つ目のダンボールは肉などの体の骨や血を作る赤い食べ物が入っていた。

三つ目のダンボールは体の調子を整える緑の食べ物が入っていた。

そのほかには醤油、塩、コショウといった調味料が入っていた。

結構な量あるけど、どうやって持って帰るんだ?

「食料一人分追加しといたからこれで大丈夫だと思うわよ」

「本当にいつもいつも、ありがとうございます」

霸瑠は軽くお辞儀した。

「いいのよ、私だって霸瑠ちゃんに守られているんだし」

「守られている? どういうことですか?」

「私は無償で霸瑠ちゃん達に食料をあげたり電気を通したりしてあげてるわけじゃないのよ。この東京エリアのγDを殲滅貰ってる見返りとして食料を提供してるの」

「東京エリア?」

「そうよ、ここは東京だから東京エリア。他にも埼玉エリア、茨城エリア、西の方に行けば大阪エリア、逆に北は北海道エリアと分類される。でも人口は少ないねどね」

「そうなんですか」

やっぱりここは東京だったのか。

でも他にもやっぱり人がいるのか

でも人口は少ないか、だからこそ霸瑠や小澤さんは助け合って生きているのか。

「あ、食料はいつもどおりそのリアカーを使って持っていっていいわよ。後でリアカーだけ返しに来てくれれば問題ないから」

「分かりました。ありがとうございます。小澤さん」

俺達は小澤さんに俺をいい。

食料の入ったダンボールをリアカーに積め店を後にした。

「なんか、凄い人だったな」

「まあー、見た目はあんなんだけど結構いい人なんだ」

「それはまあ」

確かに見た目はオカマにだがこんな世界なのに食料を分けてくれたり電気を通したりと親切な事をしてる人なんだって事は分かる。

そしてこんな世界だから助け合いが必要なんだってこと。

俺も出来るだけの事は協力したい。

そんなことを思いながら歩いているとテレスとアリスが何かを感じたらしい。

恐らくγDだろう。

「4体来ます!」

「これまた多いのです」

するとすぐに上空から4体のγDが降下してきた。

「テレス!」

「分かりました」

「淳夜くん」

「え? なんだよ?」

「何って、フェアリートランスですよ」

「お、おう……」

俺達4人はフェアリートランスの体制に入った。

俺達は声を合わせて叫んだ。

「フェアリートランス!!」

俺はこの3日間フェアリートランスを特訓で発動しているが敵と戦う実戦は3日ぶりである。

「くるよ」

「お……おう」

4体のうち1体のγDが俺に向かって突進してくる。

俺はそれを避けようが。

速い……

俺はγDの突進を避けられなかった。

「ぐぁっ!」

俺はそのまま飛ばされ数メートル先の壁に背中から激突した。

壁にはヒビがはいり、俺は背中を中心に体全身に痛みが走った。

「いって……」

淳夜くん。大丈夫ですか?

「ああ、なんとか」

よかったのです。でも淳夜くん。なんで避けられなかったのですか?

「いや、あいつの動きが速くて。この前と比べると強いのかもしれない?」

そんなはずは、今回のγDはこの前のと同じ早さだと思います。だから霸瑠さんはともかく淳夜くんが避けられない訳がないのですが……

「なんだって?」

確かこの前のはあっさりと避けられたはず。

そのγDと同じ強さならなんで避けられなかったんだ?

「宍戸くん。大丈夫」

霸瑠が弓矢で応戦しながら近づいてきた。

「ああ、大丈夫」

俺は立ち上がり剣を出現させた。

「こうなったら、これで!」

再び俺に向かってくるγDに対して俺も剣を高く振り上げ勢いに任せて振りおろした。

「はああ!」

しかしγDは振りおろした剣をいとも簡単に避けた。

外した。でもまだだ!

俺は振りおろした剣をそのまま横に振るがまた避けられる。

剣は子供用の野球のバットを持ってるみたいに意外と軽いので結構振り回せた。

俺はほぼ我武者羅に剣を振ったがγDはそれを全て避けてしまった。

どうしたのですか? 淳夜くん。この前とは動きが違いますよ。

「分かってる。なんでこの前のようにいかないんだ?」

そして最後に思いっきり突きをしたがそれも避けられた。

攻撃を避けたγDは俺の胸部から腹部を引っ掻いた。

「ぐぁぁ!」

血とは出なかったものの、さっきよりも激しい痛みが俺を襲う。

まるで腹と背中にパンチを数発くらった痛みだ。

息をするのもままならないし吐き気もする。

俺はそのままγDに腹部を蹴られ地面に倒れてしまった。

「うっ……こ……ここまで……なのか……」

激しい痛みに俺の視界がどんどん薄れていくなか、霸瑠が攻撃をして戦っている姿が見える。

は……る……

淳夜くんしっかりするのです。

そしてとうとうフェアリートランスもきれてしまい、俺とアリスの融合は解けた。

「淳夜くん! あ……」

γDが手から黒い槍を出して俺達にに向かって投げる体制をとった。

「くっ、淳夜くんは殺させません。あたしは淳夜のパートナーであり友達なのです。」

アリスは倒れている俺の前に立ち手を横に伸ばしγDから俺を守ろうとしている。

正直あの槍を投げられたらアリスも俺も助からないって事はアリスだって分かってるはず。

しかしアリスは少しでも槍の衝撃を和らげようとしているのたろうな。

「宍戸くん! アリス!」

「ギャオオオオ!」

俺は此処で死ぬんだ。まあ、俺の人生は他人からみたら普通だったかもしれない、でも俺はそんな人生に満足していたからな、思い残すことはない。

自分の死を受け入れた瞬間、10年前の女の子の言葉が浮かんだ。




私が……ても……ね





「ん……? ここは……」

俺は気がつくと布団の上で寝ていた。

「あ、気がついたのですか」

アリスが俺の方に近寄ってくる。

「ここは、本部?」

どうやら俺は本部で眠っていたらしい。

しかしなんで?

俺はγDを戦っていたはずだが

「宍戸さん、大丈夫ですか? 12時間も眠っていたんで心配しました」

テレスも俺の近くに飛んできた。

12時間!?

結構寝てたんだな。

「ああ、大丈夫。って!」

くっ、痛てー

布団から起きようとした俺の体の胸部から腹部にかけて激痛が走った。

体をよく見ると胸部と腹部に包帯が巻かれている。

もしかしたらあの時の戦闘で攻撃を受けたところを負傷したのかもしてない。

フェアリートランスでも激しい攻撃を受けると怪我とはするようだ。

「霸瑠さーん! 宍戸さん気がつきましたよ」

テレスがキッチンのある廊下に向かって叫ぶ。

「あ、宍戸くん。大丈夫? しんぱ……」

「おはようございます! 淳夜く〜ん 」

!?

霸瑠が廊下から来たと思ったら霸瑠の後ろから突然見た事も無い男が入ってきた。

年は俺と同じ17歳くらいにみえる。

髪型は耳が半分隠れている俺より短く、髪の色も黒髪の俺に対して相手は茶髪だ。

身長も172の俺と比べて173ぐらいあるんじゃないかな、あまり変わらないけど。

「あ、やっと気がついたんですね」

茶髪の男の後ろから今度は黒髪で俺と同じくらいの髪の長さの男が入ってきた。

こっちの方は俺より身長は低いかな。

「お、お前達は誰だ?」

「宍戸くん。この人達は私達の命の恩人なんだ」

「命の恩人? どういう事?」

話が全く掴めない。

俺が12時間眠ってる間何が起きてたんだ?

「詳しいことは私が話します」

「じゃあ、テレスお願い」

「分かりました。霸瑠さん」



※※※



「宍戸くん! アリス!」

テレスの説明から俺が気を失った後、γDは槍を投げようとした。

しかし槍を投げる瞬間、遠くの方から光り輝く弾丸が飛んできた。

その弾丸は槍を持ってたγDの頭を直撃、怯んだγDは弾丸が飛んできた方向を見たそこには両手にハンドガンらしき銃を持ち緑色のアームを纏った黒髪の男が立っていた。

「なんとか間に合った」

「な、なに?」

霸瑠もいきなり現れた男を眺めていた。

すると霸瑠の周りにいた2体のγDにいきなり素早く斬り裂かれた。

「!?」

「ギャァァァァ!!」

体がバラバラに切断され血しぶきが飛び2体のγDは消滅した。

「いや〜、ギリギリセーフだね〜。あ、君大丈夫?」

「だ、大丈夫です」

そこに現れたのが黄色のアームを纏い双剣を持った茶髪の男だった。

「雅、とっとと終わらせた方が良さそうだ。その子の仲間、気を失っていて治療が必要みたいだからな」

アリスの前に現れた黒髪の男が茶髪の男に命令をだした。

「あの、あなた達は誰なのですか?」

「説明は後、今はこいつらを倒すのが最優先です。君のパートナーさんの為にも」

そう言うと黒髪の男は銃を構えなおす

「さ〜て、逢沢の方は1体に対してこっちも1体。余裕かな、あはは」

茶髪の男は余裕の笑みを見せる。

「ギャァァァァ!」

γDが茶髪の男に爪を立てて向かっていくが男はそれをよけて素早く後ろに回り込むそして左右から双剣を振り顔を斬り落とした。

「いい攻撃だったね〜まあ、僕には当たらないよ♪」

首を落とされたγDはそのまま消滅していった。

「雅の奴、やるな」

黒髪の男の方のγDは再び黒い槍をだし、投げる体制に入る。

「そんなもの、こうしてあげるよ」

黒髪の男は銃をγDに連射した。

銃の弾は速く音速を超えていると考えられる。

γDはその弾を避ける暇なく羽や腕、足に弾が被弾し最後の弾が再び頭に命中。

γDはそのまま消滅していった。

「はぁー、大丈夫ですか?」

「は、はい。ありがとうなのてます」

アリスは不思議そうな感じでお礼をする。

「いや、対したことはしてないです。それよりも、雅この男を運ぶの手伝ってくれ」

「了解だよー、んで何処に運べばいいの? 君」

茶髪の男はニコニコしながら霸瑠に訪ねた。

「あ、本部に案内します。でも貴方達は?」

「俺たちは、正義の味方だよ。なんてね♪」

「正義の……」

「おい、早く手伝え」

「はいはい、分かりましたよ〜」



※※※




と言う訳である。

「なるほど、そんな事が」

「この人達が来なかったら私達は死んでいたかもしれないね」

「ああ、そうだな。俺がもっと…… とにかく助けてくれてありがとう」

「いや、礼はいいですよ、困ってる人を見つけたら助け合うのが普通ですから」

「そうそう、そんな事より〜この新作エロゲを〜」

「雅! そんな話はいい!」

黒髪の男は茶髪の男の話題を遮った。

「もぉ〜いいじゃんすこしは」

茶髪の男が何やらブツブツ言っている

「たく、そうだ自己紹介がまだだったな。俺は逢沢暁甁(あいざわ きょうへい)。よろしく」

「僕は風吹雅(ふぶき まさ)。エロゲが趣味の男の子だよ」

雅って人 凄いニコニコして自己紹介してるな。

エロゲか一応気にはなっていたが今度やらしてもらおうかなってできるのか?

「俺は宍戸淳夜。よろしく」

「私は凪咲霸瑠。よろしく」

「私はテレス・フェアリー・プロミストです。よろしくお願いします」

「私はアリス・フェアリー・プロミストなのです。改めてよろしくなのです」

「ああ、よろしく」

「あ、ところでお前達はフェアリートランスを使えるんだろ? ところでパートナーの妖精は?」

「いいところに気付いたね〜、入ってきていいよ」するときつ廊下のドアの方から黄色と緑の妖精が入ってきた。

「どうも、雅のパートナーをいやいややらされてます、エリです」

黄色の妖精が先に自己紹介をした。

次は緑の妖精が自己紹介をした。

「こんにちは。僕の名前はノブです。よろしくお願いします」

「ちょっとちょっと、いやいやってどういう事かな? エリちゃん」

「黙らっしゃい、本当はあなたの様な虫の糞にも満たさない人なんかと融合するくらいならいっそ死にたいわ」

凄い毒舌だ。

「その毒舌は相変わらずだね〜あはは」

何故笑っている?

俺だったら結構傷つくぞ。

ぐぐぅー

俺の腹がなった。

そうだ、腹減ったなー

「な、皆腹減ってないか?」

「僕は減ってるよ〜」

「私も少し」

「俺も」

「そうか、じゃあ何か作るか」

「お、淳夜。なにか作ってくれるのかな〜」

「この人数ならカレーがいいかな? 貰ってきた食料の中にカレーのルーが入ってたし」

「おー!! 本当のカレーはおしいのですか? 霸瑠が作った殺人カレーしか食べたことないので」

「なにが? 殺人カレーよ! ちゃんとした普通のカレーだったでしょ」

「いやいや、あのカレーはとんでとな」

「アリス、覚えてなさいよ」

「とてもにぎやかだな。いつもこうなのかてすか?」

「ああ、基本はな」

「楽しいね〜あはは」

俺はエプロンをして台所に向かい 冷蔵庫とダンボールからカレーに必要な食材を取り出した。

「じやあ、作るか、まずはニンジン、玉ねぎ、じゃがいも、豚肉を小さく切っていく」

俺は食材を包丁で切っていった。

「包丁使い旨いな」

「そしたら鍋に火を入れ軽く油をしき後は好みでニンニクを入れるのもいいね。そして次は食材を炒めるがこの時、肉と先に炒めしばらくして少し肉に火が通ったらじゃがいもとニンジンを入れる。ちなみにこれはテレビでやってたけど炒めるときに油ではなくバターを入れると風味がまして美味しいみたいだよ。今回はバターを入れるよ」

「カレーにも食材を入れる順番があるんだね」

「しばらく炒めたら玉ねぎを入れ鍋に水を入れる。そしてじゃがいもがさえ箸で突けるほど柔らかくなるまで煮込む。ここで煮込む際にローリエを入れれば食材の臭みが取れるらしいよ」

「なんだか、美味しそうな匂いがしてきたのです。」

「じゃがいもが煮えたら塩と胡椒(コショウ)を入れてカレーのルーを入れて少し煮れば完成」

「あら、結構美味しそうね」

「ホントだね、バターの香りもするし」

俺は完成したカレーをご飯と一緒に全員分皿に盛りテーブルへと運んだ。

「じゃあ〜、食べようか」

「そうね」

「いただきます」

皆でいただきますを言い食べ始めた。

「美味しいよ。宍戸さん」

「ありがとう、ノブ」

「ああ、見事な味付けです」

「なんで、こんなに料理が旨いのかしらね」

「俺の家、親の不在が多いから自分で作っているんだ」

「なるほど、なるほど」

「でもこれがカレーの味なんですね」

「………ふん」

霸瑠が拗ねてる。

「なあ、雅と逢沢の関係って?」

「ああ、幼なじみたよ〜 小さい頃からいつも一緒だよ」

「幼なじみ? 小さい頃からって元々この世界にいたのか?」

「何言ってるの? 当たり前じゃん」

「逆に霸瑠さんと宍戸はどういう関係ですか?」

「えっとー」

暁甁が霸瑠に質問すると雅が口出ししてきた。

「リア充?」

雅が笑いながら質問した

「ち、違うよ。宍戸くんはこの世界に飛ばされて来たからそれで一緒に住んでるだけだもん」

霸瑠は顔を少し赤らめながら説明をした。

恥ずかしがる姿可愛い……

「この世界に飛ばされたって表世界から来ってことですか?」

「ああ、何故かは知らないがいきなりこの世界に飛ばされた。このEOTWに」

「そうか……」

逢沢は何かを考え始めた。

「もしかして元に戻る方法を知ってたりするのか?」

「いや、それは特に」

「そうか、違う人に会えば何か手掛かりを見つけられると思ったが」

「すまない。表世界からこの世界に来た話は聞いたことないからな」

初めて? じゃあ、この世界に飛ばされたのは俺だけなのか?

「あまり難しい事は考えないで、早くカレーを食べるのですよ。淳夜くん、暁甁くん」

「ああ、そうだな」

俺達は食事を続けた。

そして食材が終わり再び話が始まった。

「そういえばなんで今日のγDに俺の攻撃が当たらなかったんだ?」

「簡単に言うとあなたがザコなだけよ」

「うっ、痛いとこつくな。でも3日前の戦闘では軽く2体倒したんだけどな」

「うーん、やはりまだ扱えきれてないってですかね?」

扱えきれてない? でもあんなに動いても息切れしなかったし簡単に融合できるようになったし 、扱えきれてないって事はないと思うが

「まあ、とにかく明日から君達二人には俺達と一緒に特訓をしてもらいます」

「特訓?」

「そうです。君達二人の今の力では恐らく大半のγDは倒せないでしょうね」

まじか、今の力では大半は倒せないって。

もっと強くなる必要があるってことか。

俺が元の世界に帰るためにも。

「ところで淳夜、俺達を君達のえっと〜、デビルブレイカー隊だっけ? に入れてくれない?」

「はい?」

なんでデビルブレイカー隊を知ってるんだ?

って言っても俺が寝てる間に霸瑠が喋ったのかもな。

「いや〜、こんな世界だからそういう組織のメンツは多い方がいいでしょ、ねぇ」

「まあー、俺は構わないけど、霸瑠は」

「え? 私も別にいいよ」

「おお、それじゃ、この部屋に住んでもいいってことかな?」

「あなた、やっぱりそれが目的だったのでしょう。この最低糞虫」

「えへへ」

「本部に住みたいなら別にいいんだけど、四人だと狭いよ」

「平気平気、あの錆びた病院に比べたら狭いのなんて」

あれ? 錆びた病院?

「なあ、雅達って病院に住んでたのか?」

「一応ね〜ただあそこは寒くて薬品臭いし最悪な場所だったけど、地下に身を隠せばγDに気づかれないって利点があったから」

「なるほど」

まさかな

「でも、この前人影を見たんだよな」

「人影? あれ?」

「いやーね、この前その病院の診察室の方から人の声が聞こえたから見に行ったんだよ、そしたら診察室に人が居て声をかけようとしたら叫んで窓から逃げちゃったんだよね。一体誰だったんだろう?」

あ、あははは

俺は全てを理解し雅の肩に手を乗っけた。

「それ、俺だ……」

「ええー!」

「この前アリスを探しにその病院へ入った、そして診察室でアリスと話してたら入口の方に人影が現れたからお化けだど思って……」

「なーんだ、淳夜だったのか。まあいいや」

まあいいやって軽いなおい

俺があのときどれだか怖かったか。

「おい、楽しい話はいいが宍戸、お前はもう休んだ方がいいと思います、明日は忙しくなるはずです」

「ああ、分かった」

俺の力ではγDに敵わない。

だから俺はもっと強くなる。

元の世界に帰るために……

そして元の世界に戻って10年前の約束を果たさなければ……

俺はそんなことを思いながら再び眠りに入った。


つづく

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