カミナリBOY
初めて書きました。ちょっと変でも許してください。
感想くれたら嬉しいデス!
もし目の前に自分の理想そのままで、一目見ただけでびびびっときて、
恋に落ちてしまうような理想の王子様のような男の子が現れたらどうする?
〜南 真子の場合〜
あたし、南 真子。16歳、高校一年。彼氏いない歴16年。
あたしは超恋愛無頓着女で、平気で男の子の前でも、下ネタを言ってのける。
もちろんクラスの男子はドン引きする。なので恋愛対象には絶対ならない。
それでも少なからず笑ってくれる男子もいるから、男の子と無縁ってわけじゃないんだけどね。
けどやっぱり友達止まり。それはあたしのファッションも関係してると思う。
派手め古着系アメカジ。世の男の子はミッキーのトレーナー着てる女の子よりも、
エロカワなキャミソール着てる子のほうが良いのだ。
聞いてる音楽も、ゴイステやPizza of Deth系だ。
こんなロック少女に誰が恋してくれるだろうか。大塚愛も倖田クミも聞かないロック少女に。
もちろん恋には興味はある。したいとも思う。
でも相手がいない。自分に自身がない。
下ネタで笑ってくれる男子の恋の相談にはのれても、あたし自身も恋愛対象にはならない。
そう思っていた。あの子が現れるまでは。
ある晴れた月曜日、あたしはいつものようにふらふら歩きながら学校に向かっていた。
あたしは朝がものすごくよわい。
毎朝ふらふらしながら記憶飛ばし飛ばしで、学校に着く。
いつもは意識がはっきりしてなくても、気づいた時にはちゃんと自分のクラスの、
自分の席に座っていて、なんだ、あたし意外とやるじゃんなんて思いながら一時間目をうけるのだ。
今日もそのはずだった。が、
なんだか今日はふわふわしていて、地に足が着いてないって感じがしたんだ。
それもそのはずだ。だってあたしは気づいて起きたときには黒い背中の誰かにおんぶされていたんだもの。
あたしはびっくりして起き上がって叫んだ。
「うおわぁぁぁぁぁぁ!」
「うおわぁぁぁぁぁぁ!何々!?」
相手もびっくりして叫んだ。
「ちょっと!暴れないでくれます?俺、電車で倒れたあんたを、
こうして親切にもおんぶして学校まで連れて行ってるんだから!」
よく見るとおんぶしてくれてるのは男子高校生で、彼の制服はまさしくうちの高校の学ランだった。
それに歩いている道も、よく見たら通学路だった。
「え・・・あ、すいません・・・あのあたし倒れました?」
「そうですけど。いきなり電車の中でバターンとね。親切にも(強調)転校初日の俺が、おんぶしてあげてたんですよ」
学ランの彼は、前だけ見て言った。
やべ〜・・・・
直感的にそう思った。いや、直感じゃなくてもやばいと思うけど。
「あの、たぶん貧血だっただけだと思うんで、おろしてもらって大丈夫です・・・!すいません!」
申し訳なさそうにあたしが言うと彼は以外にも、
「いや、あんた倒れたわけだし無理しなくてもいいよ。こう見えても力持ちですから」
と言って、へへと笑った。
かなり優しくてびっくりした。男の子にこんな風に優しくされたことのないあたしは、顔を赤くしてしまった。
ただ相手は前をむいていたから見られずに済んだけど。
「いえっ!本当に大丈夫ですから!」
「あ、そう?大丈夫なら良いんだけど・・・じゃあ降ろすよ?」
よっ。といって、優しく降ろしてくれた彼を見てあたしは目ん玉がハートになった。
少女マンガみたいに。
だって彼はあたしの理想ぴったりだったのだ。
学ランに黒縁メガネ、ナイキのハイカットダンクのスニーカー、そして拡張されたピアス。
まさにロック少年。そんなべたな展開にあたしはクラクラして、
まさしく恋に落ちてしまったようだ。
「・・・あの?大丈夫?顔赤いけど?」
はっとわれに返り、相手を見た。
「あっ、えっ、そっ、そのっ!」
「ハイハイ、落ち着いて。まだ具合悪い?」
つか具合というより眠かっただけみたいな・・・・
「あ、大丈夫です!つかあの〜転校生なんですか?」
「あ、そうなんだよ。ど田舎から転校してきました。藤田 修馬です。ところでさ、あんた望高校の人だろ?一年八組の場所知らね?」
ビンゴ・・・・!!それはあたしのクラスだったのだ。うわまじ?まさに少女マンガ!
「そ、それ・・・あたしのクラス!」
「あ、まじ?じゃあ案内してよ。お詫びにさ」
と言って笑った彼はこの街で一番格好良かったと思う。
それがあたしと修馬の出会いだった。