森の中で私は全裸
着エロは他の何よりに勝る宝
森の中。
綺麗な空気。
私は裸。
森の中。
ぽかぽか日和。
私は裸。
「えええええええええええええええええええええ！？」
喉がすりきれんばかりに叫んだけれど、さっきまで着ていたはずのパジャマはどこにもなかった。
私の身体には身につけてなかった。
ついでに周りにもなかった。
それ以前に周り木ばっかりですやん。
木と木の間鬱蒼とした暗闇が続いていて、ホント一寸先まで見えやしない。木漏れ日は確かに気持ちいいけど。
うわぁ下の毛が木漏れ日を照り返しているナリィ（今モザイクの準備してます）
最悪。
ホント最悪ですわ。
これは……森の中？
いやさっき踊りながら呟いてたけどここ森の中なのね。
んん。
んん？
なんで私森にいるの。
ここどこ？
私なんでこんな所にいるの？
さっきまで家にいたわよね。
それでネットで『エロ画像 zip』って検索ワード打ってて,
それで偶然面白いネットゲームを見つけて。
意識を吸い込まれて、気が付いたらここにいて。
「―――そっか。これ夢か」
うん夢だ（今モザイク掛け終えました。今後ともよろしこ（＊´ω｀＊））
夢にしてはなんやすんごいリアルですけど、正直それはアレです、正夢という奴だと思います。
足元の草がはだしで歩くたびにチクチクして激しく痒いけど、これ夢ですわ。
痒いだけ。
痛くないの。
多分向こうの私はあまりのむず痒さにベッドの上でＯＯをボリボリしてるところだと思うの。
うん、試しに額を近くの木にぶつけてみよう。
「ハァ……フンス！」
―――――――折れた。
ゴゴゴゴゴゴゴッ
私のおんぼろ家ぐらいありそうなぶっとい幹が根元から折れて、地響きと土煙を上げながらゆっくりと倒れていく。
ドオオオオンッ
ギャアギャアッ
枝葉が地面をドラムのように打ちたたき森の獣がその騒がしさに、泣き喚き、私も泣きそうになる。
――すんげぇ頭痛い。
プクッて額膨れてる。
膨れてるだけ。
何？
私の額には鉄板が仕組まれてるの？
リアクティブ装甲の？
額に鉄板？
どんな設定よ！今時奇抜すぎてさすがにお腹いっぱいな素麺ライダーでもそんな改造設定でてきたためしがないわよ！
何これ？
何これぇえええ！？
『ようこそいらっしゃいました』
「ひぎゃああああああああああああああああああああああ！」
『ここは戦神アポクリファスが女神オルカと戦いし聖地。アポクリファスの古戦場でございますお客様』
「さらっと後ろから出てくんな蛆虫がぁあああああああああああああ！」
泣きそうになりながら身体を折れた巨木の幹の裏に隠しながら、私は恐る恐る声の主を目で追った。
う、浮いてる……。
お、おっぱいが浮いている。
女の人が森の中、ふわふわと私を見下ろし、ちょっと胸元の開いた服がひらひらと舞っている。
おっぱいもプルンプルン風に漂っている。
一向に垂れる気配がない、だと……？
どういう事なの？
これが巨乳を極めし者の業だとでも言うの？
誰か教えてよぉおおおおおおおおお！
いや……プルンプルン？
あれ……つくりも―――
「本当にお越しくださり光栄でございますお客様。ですが残念なことにここは戦神アポクリファスの魔力により、魔物が跋扈する地となっております。
お客様には、大変申し訳なく思いますねっ」
あれ？
怒ってる？
もしかして心の声が聞こえる？
おいそこのおっぱい。
やっぱり貴方のソレってつくり――
「いい加減にせんとすり潰すぞ穀潰しが」
「はぁい。レナちゃんいい子いい子しまぁすっ」
「――ここ『アポクリファス戦記』では、お客様にリアル感を追及していただくために、特別にログイン画面をクリックしていただくと、お客様の魂を自動で抜き取る作業を行わせていただきました。
これで魂は、この世界に封印され、いつまでもこのゲームを楽しんでいただけますよっ」
「さすがにいい子でけへんわぁあああああああああああああ！」
「無料ですっ」
「うすらやかましいわぁあああああああああ！」
「ですが、身体はそれほど立派なものを提供できず、お客様のその貧相な身体をベースにコピーを作成することに相成りました」
「何さらっとバカにしてるのぉ！？温厚な私もぶちぎれんぞこらぁああ！」
「黙って人の話聞けやクソ虫が」
「……」
正座。
お口ちゃっく。
これが私の今の全て。
長いものには巻かれるのが私の通り。
くっそ。
絶対アレつくり―――
「ですがご安心ください。そんな貧相極まりない身体を守るために各ユーザーには初期装備としてあるものが手渡されることになってます」
「はぁ……」
「正直貴方みたいなキュッキュッキュと花瓶を拭く音が聞こえそうな体格の持ち主に渡すのは心底嫌なのですが」
「うわぁ、心の抉れる音がする」
「ですがこれも規則、仕方ないですが、渡しますので取りに来てくださいね」
「なんでそんなに渡すのがいやなの？」
「だってあなた下の毛にティッシュ―――」
「取りに来ますのでもうやめて死んでしまいます」（モザイク準備中）
私は言われるままに、その宙に浮くマジカルおっぱいの下に身体の局部を隠しながらそろそろそと近寄った。
「隠すものあるんですか？」
「初回の紹介アナウンスがなんでそんな失礼極まりないんですかぁ！？」
「これも『アポクリファス戦記』の魅力ですよ」
「ユーザー離れますがなぁ！」
そう言いながら、私は両手を差し出す（あ、モザイク置いてきた）
手にしたのは、大きな黒光りして太くて、腕なんかすっぽり入りそうな空洞がある、何か大きなものだった。
テラテラと表面が光ってる。
綺麗……（モザイク拾ってきたよ！よよよ！）
先端は手の指の形をしているみたいで、これが腕にはめるものだってすぐに私はわかった。
で、早速つけてみるとあら不思議。
「おお、かっちり嵌まるじゃんっ」
そう言って木漏れ日、は先へし折ってもうないので日差しに照らしてみれば格好いいガントレットが私の手に装備されている。
と、黒いガントレットの表面が紅く光り始めて、紅い線が表面にまっすぐ走る。
それは手の甲に浮かぶ紋章まで走る――
「あ、それ貴方の『命』です」
「……ヒットポイントって事？」
「くわしい事はその固定装備、B.A.S.Eシステムにお尋ねください。じゃ私これで」
え？
「もう帰らないと。月９のドラマ始まりますしおすし」
え？
いや、何それ？
私もっと大切なものもらってないんだけど。
ていうかこういうゲームって普通は、普通はあるはずの装備というか防具というか。
「服、貰ってないんですけど」
「野猿が服着るとか、おかしな事いいよる」
「やかましいわぁ！さっさと服くださいよぉお！」
「それは装備です。私はそのようなものを渡すようには言われていませんので。自分で調達して、自分で戦ってくださいね。
あ、この世界死んだらそれまでですので。覚えなくていいけど」
「ええええええええええ！それすっごい重要だね、なんで最後に言ったの？なんでそれ最後にさらっと流したのぉおおおお！？」
「あ、もうすぐドラマ始まるわぁ。んじゃばいちゃ」
「古っ！ 感性が昭和並みの掛け声を今聞いたわぁ！」
と、そんな事を言っていたら、フワフワ（それにせも―――）おっぱいのお姉さんが空へと昇り始めていく。
「ま、待って！待ってよせめて死んでもいいから服ちょうだい、服くださいよぉおおおお！」
「―――この世界は呪われてしまいました。アポクリファスは、怒り狂い世界を滅ぼさんしています。
どうか勇者よ、私が与えた力と共に世界を救ってください」
「何中途半端にプロローグ喋ってるのよ！ていうか今日日最近の勇者だって防具装備してなくても服着てるわよ！」
「お願いします。どうか世界を―――この世界に安らぎを……！」
「何なのこの待遇！？お願いだから服くださいよ、何でもしますからオナシャス！」
「ん？今何でもするって言ったよね」
「なんでそこだけ反応するんですかぁああああああああああ！？」
叫び声を上げながら、それでもおっぱいババアは止まらず空へと上がっていき青空に溶けていく。
ああ。
もう手が届かない。
どうすれば、どうすれば―――
「この……偽物おっぱいババァがぁあああああああああああああ！」
「―――このティッシュの破片、くっさ」
「やめてぇええええええええええええええええええええええええええええええええ！」
――こうして、私は現実か、それともゲームかわからない世界へと放り投げられた。
抜かれた魂。
死んだらそれまで。
厳しい条件ばかりが見える。
多分、答えは少なくともこの周りにはないのだろう。
あるとすれば―――ラスボス。
普通のＭＭＯのラスボスはゲーム運営会社だってよく聞くけど、この世界ではどうなんだろう。
出口はあるのだろうか。
答えはあるのだろうか。
――考えても仕方がない。
そうだよ。
考えたって服が湧いてくるわけじゃない。
進まなきゃ答えはない。
この世界は現実。
足の裏の痛みも、肌を指す冷たい風の感触も、ゲームエフェクトだとしても全て私の中では現実。
なら簡単。
全部ぶっ飛ばして前に進むだけ。
嫌いなものも苦手なものも好きなものも全部ぶっ飛ばして、出口を、答えを探しに行けばいい。
――深呼吸して……心落ち着かせて、それから深呼吸してからの……！
「――ヨガファイア！」
こうして、私の異世界冒険が今始まった。
帰る日はいつになるだろう。
そんなもん、帰れる日になったわかるし、今は進むだけ。
さぁ、行こうっ。
青空の下全裸の美少女がケツ丸出しで、ノシノシと草むらを踏みしめる。
最高のシチュエーションだと思った。
あ、これＲ－１５指定つけるの忘れてた（＊´ω｀＊）ちょっとだけ暴走してますが、お楽しみいただければ幸いでござる
追記：つけた（＊´ω｀＊）
