それは突然だった
それは突然だった。
僕は友達と遊んでいた。
急に胸が苦しくなった。
友達は救急車を呼んでくれた。
しかし近くの病院はすべて断られた。
「あ~これが『たらい廻し』ってやつか」
薄まりつつある意識の中、
僕は思い。
初めて、
「死」を意識した。
そして、
病院に着いた時、
僕はこと切れていた。
遺影に向かってお母さんは、
「ひろし!聞いてる?」
「ひろし!起きて!」
と、
何度も泣き叫んだ。
僕は、
「聞いてるよ、お母さん」
と言った。
いや言ったつもりだったが、
お母さんには聞こえていない。
僕は聞こえているし、
言っているのだが・・
死後は
「こんなものなんだ」
と僕は15にして知ることとなった。