第三話 少女 (片口鰯)
片口鰯の番です。よろしゅう。
走りに走って、ようやく町に着いた正利。
正利「よぉし…町に着いちまえばこっちのもんだ。女でも探すしかないな…」
正利は息を整え、町の中へと歩を進めた。
町は賑わっており、見かけだけならごく普通で、ただの商店街、といった趣を見せている。
正利「たしかあいつはギャルゲーっつってたか…つまり色んな系統の美女がわんさかいるってわけだ…へへ」
正利「お、早速美少女はっけ〜ん」
正利の視線の先に、セーラー服を身に纏った黒髪の少女が立っていた。
清楚系ってとこか、と、正利は瞬時に品定めをする。
正利「そこの君、1人で突っ立ってどうしたん?」
少女「別に何も。あなたこそ何ですか?」
正利「なんだ冷たいなぁ。(こいつは口説こうとしても無駄っぽいな。冷静沈着な優等生って感じだ。)」
少女「何ですか。」
正利「いや、実は〜道に迷っちゃって。駅まで連れて行ってくれませんかね?」
少女「はぁ。」
少女は目を細め、サッと正利の全身を眺める。
少女「…わかりました。いいですよ。」
正利「ありがとうございます!(案外ちょろいなwwよし、少し仲を深めてから、隙を見てラブホかどこかに連れ込んでやろう。ラブホなんてあるんだかわかんねーけど。)」
少女「では行きましょうか。こちらです。」
正利はウキウキで少女について行った。
歩いている途中、正利は少女の隣で、唯一の長所である巧みな話術で仲を深めた。歩き始めてから数分すれば、少女も笑顔を見せるようになっていた。
正利(そろそろか…?いや、焦りは禁物。)
いつの間にか人気の少ない路地に入り込んでいた。
正利は少しずつ少女に身体を寄せていき、少女との距離を物理的にも、精神的にも縮めた。
艶のある髪、白い肌、長髪の隙間からたまに覗く首筋、そしてほんのり香る甘い匂いを間近で堪能しながら、正利は頃合いを見計らっていた。言わずもがな、彼女を連れ込んで無理やり抱く頃合いである。
正利(お、周り誰もいないじゃねーか。運良くあそこに細い道があるぞ。ホテルは見当たらないし、路地裏に連れ込んで犯してやろう。よし、今だ。)
正利は少女の口元を押さえ、体を捕まえ、路地裏に押し入ろうとした。
しかし次の瞬間、正利の体は吹き飛んだ。
一体何が起こったのか、正利が一瞬のうちに理解することは不可能だった。
次回!
疾風疾走!