シュレの日常①
番外編としてお読みください。
〜執筆部屋の裏側〜
――黒い部屋が開かれた。キィ、と軋みながら開かれた先に待ち受けるのは、果たして――。
「にゃ……えと、はじめましてな人も、おはよう、こんにちは、こんばんはの人も。わたしの名前はシュレです」
そこには、メイド服を着た黒髪ロングストレートのシュレがいた。彼女の目は金色に輝いている。ここは執筆部屋。きたるべき主人を待ち、彼女は常にこの部屋で、掃除や空間との干渉を避けるべく、管理者として置かれた存在だ。
「なんか、暇だなー。こういう時は、物語に没頭すると時間を忘れるって、ご主人様が言ってたような?」
そう、この部屋は管理すること以外の目的が、ほとんど存在しない。だから、とても暇なのだ。
「今回も、そんなに大事な事態なんて起きてないしっと」
シュレは、はしごに上り、スカートをひらひらさせている。下から見ると、黒のレースパンティががっつり見えていた。そして、つま先立ちで本を取ろうとしているためか、太ももがぷるぷると震えている。
――案の定、シュレははしごから落っこちてしまった。
「にゃーーーー! お尻、痛っーい!」
シュレは、ぷりぷりした尻を押さえて、むっとした。
彼女が暇で弄ぶくらい、この場所にいなくてはならない理由がある。彼女がいることで、この空間は成り立っているのだ。つまり、彼女がいなければ、この執筆部屋は管理されず、亜空間との接触により、潰される、あるいは統合、消失といった事態になりかねない。
だからこそ、信頼の厚い彼女に任されており、それを守る主人への忠義心が、シュレにはあった。
「明日は、ご主人様のリアル生放送実況でも、しようかな♡」
シュレの日常は、つづくのであった――。
いつもお読みいただきありがとうございます。皆さまからのブックマークや高評価が、執筆の大きな励みになっています。これからも楽しんでいただけるよう精一杯書いていきますので、引き続き応援よろしくお願いします!




