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お嬢様はエクソシスト  作者: 地野千塩


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悪霊の同士討ち編(2)

 直恵の嫌な予感はあたってしまった。心配事の9割は起きないというが、残り 1割に当たってしまったらしい。


 桜が出演したYouTube動画は、美人JKがいるとちょっと話題になってしまった。動画が拡散され、いわゆるバズってる状態になってしまった。


 確かに桜は美人だが、予想外の出来事だった。


「うわーん、桜! 大変な事になちゃったよ〜!」


 桜は涙目で、聖書研究会の机に突っ伏せていた。


 放課後まで待てず、昼休みにこの部室に逃げてきたのが現状だった。


 あの動画のおかげでストーカーのような男が現れたり、芸能事務所に入らないかという電話やメールが家に舞い込み、桜は大変そうだった。


「迂闊に動画なんて出ない方がよかったわね」

「うわーん! しかもまた陽那達がいじめてきたし、困ったわー」


 ストーカーや芸能事務所の勧誘は羊野が対処しているので、とりあえず安全そうだが、いじめの件は特に桜は参っていた。


 特に徳井陽那というクラスメイトからの嫉妬、嫌がらせがキツいらしい。ついに今日は靴や体操着を隠され、直恵が予備のそれを貸してやるほどだった。


「それにしても直恵、よく予備の上履きなんて持ってたわね」

「ま、一応ね……」


 桜は以前にもいじめにあった時、靴を隠されたというので、一応予備の上履きを買い、聖書研究会のロッカーに置いておいた。役立つ日はこないと思っていたが。


「でも何足も予備の上履き買ってられないわ。どうしようかしらねぇ」


 昼休みだが、直恵も桜の食は進まなかった。せっかく幸田が彩り豊かな三色弁当を作ってくれたそうだが、ほとんど減っていない。食いしん坊の桜にしては珍しい。直恵も売店で買ったカレーパンやサンドイッチを食べる気分にならなくなっってしまった。


「とりあえず、担任に言いましょう」

「えー、悪霊祓った方が良くない? 悪霊が裏で糸引いているいじめでしょ?」


 桜は口を尖らせて文句を言う。


 確かに桜の言う通りだ。いじめの主犯格の陽那は、占い、性的不品行、偶像崇拝の悪霊をどっさりとつけていた。本人が気づいていないが、桜への悪口の9割以上は悪霊が言わせていた。


 ただ、無闇に払っても返ってくるケースを直恵は危惧していた。時に占いと偶像崇拝の悪霊もつけている。福音を否定してしまった場合、より強い悪霊が報復しにくる事は目に見えていた。そうなると陽那は悪霊に乗っ取られて、取り返しがつかない。悪霊祓いと一言にいっても、ここは慎重に行わないとならなかった。


 いじめっ子とはいえ、神様の大事な娘だ。直恵も無闇に嫌いたくはない。むしろ、あんな悪霊はついて可哀想だ。今はまだ肉体や精神も安定してるだろうが、時限爆弾のように攻撃してくる悪霊も多い。陽那もいつ病気や狂人になるかわからない。


「そうか。一瞬、陽那の事を許せないって怒っていたよ。祈らなきゃね」


 桜はすぐに直恵が言わんとしている事に気づいたのだろう。


 しばらく二人で主の祈りをした後、陽那が守られるよう、許すと宣言して祈った。


「そうね。陽那ちーだって神様の子よね……」

「うん。許しましょう」


 このいじめはすぐ終われば良いのだが。直恵はこの件は神様にお願いするしか無い気がした。

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