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5) そして王宮は半壊した!



 鎧騎士2体が、王宮を抜けて、礼拝堂に入ります。


「美しかった礼拝堂が、メチャクチャだね」


 周囲に飾られていた、六芒星を表す石碑が、壊されています。


 中央に魔法陣、大きな黒い五芒星が描かれています。

 その上に、1mくらいのイビツな石が置かれ、さらに上に魔力の塊が宙に浮かんでいます。


「鼓動している? あれは卵?」

 禍々しい気が伝わってきます。


「前に立っているのは第二王子だ、気をつけろ」


 ついに、ラスボス登場ですね。


「久しぶりね第二王子」


「その声はホシミッツ! 生きていたのか」

 第二王子が、私を始末するように命じたと、今、自白しましたね。


「予言のとおり、王国を滅ぼしに来たのよ、貴方の独裁国をね」

「予言なんて嘘だよ、俺は無垢じゃないからね」

 え? 無垢じゃない?


「それより、素晴らしいだろ、この卵。古代の魔道具「魔人騎士」だよ」

「1時間でここまで成長した。今も王都の人々から魔力を吸い上げ、成長している」


「人々から、わずかばかりの魔力を吸っても、大したことないでしょ」


「わからないのか、50の魔力を1万人から吸えば、魔力50万になる」

「ちりつもね。私の魔力は53万よ!」


「笑えないな、人間の魔力なんて、多くても100だ!」


「見ろ、この浮かぶ塊、ここに魔力が蓄えられている」


「ついでに教えよう、魔人騎士は、金のメダルを持つ者に従うんだよ」

「持っているんだろ? 金のメダルの使い方も知らないだろ? 命が惜しければ、俺に渡しな」


 口調が、もう14歳じゃない。狂ってる?


「これのことか、渡せば俺たちの命を助けてくれるんだな?」

 クロニィが金のメダルを見せる。何か策があるのかな?


「その声は誰だ? 誰でもいい。お前は、私の従者として働いてもらおう」

 第二王子の顔が歪んで、笑う。


 クロニィが、金のメダルを渡すふりをし、卵にダッシュ!


「割れろ!」

 木刀を一閃、卵を割る!


 衝撃が!

 クロニィが、私の横まで弾き飛ばされ、鎧騎士のカブトが開き、顔が見えている。気を失っているの?


 卵の中から生まれたのは、古代兵器の魔人騎士。

 身長2mチョイか、筋骨隆々なトカゲに、羽を生やした、青い悪魔のような容姿。


「クソ! 不完全だ、早かったか」

 飛ばされた第二王子が立ち上がった。王族にかけられている防御魔法で助かったのか。


「ホシミッツ、お前は邪魔だ! これを見ろ」

 魔道具「威厳」の光が点滅する。


「第二王子に対して不敬だ、ひざまずけ!」

 私に、第二王子の使う魔道具「威厳」の効果がない。


「なぜだ?」

「私が、第二王子の上位、姉の第一王女だからよ」


 双子の人権法案、女性の人権法案が、今日から施行され、私は本来の地位、第一王女を取り戻した。


 第二王子が慌てている。理解できていない。

「魔人騎士に命じる、この女をつぶせ!」


 魔人騎士は、第二王子の指示に従わない。


「なぜだ、この金のメダルを見ろ! 言語が違うのか?」


(古代の魔道具と、意思疎通させるのよ)


 魔人騎士が腕を振り回す。第二王子が、壁に叩きつけられ、動かない。

 思わず、目をそらす。


「実の弟なのに、助けられなかった」


 泣く時間などない、ここが正念場だ。


「クロニィ、私に勇気をちょうだい」

 私のカブトを開けて、気を失っているクロニィに顔を近づけます。


 クロニィの唇に、赤いリップが一つ付いています。

 唇を触り、クロニィと私のカブトを閉じます。


「鎧騎士シリウス、お前の力を見せて」

 私自身の意思で暴走させ、外にあふれ出る魔力を内側に向け、魔力の内部圧力を上げます。


 白い鎧騎士、これで魔人騎士と同等のパワーです。

「シリウス、ありがとう」


 魔人騎士との殴り合い。

 格闘技術が高い分、こちらが有利だと思ってたが、羽と尻尾の攻撃が読めない。

 かろうじて、攻撃はあたるが、踏み込みが浅く、威力が足りない。


「魔力がたりないか」

 宙に浮かぶ魔力の塊が視界のスミに入る。


「回復アイテム、ゲット!」

 塊を掴むと、力がみなぎりました。


「シリウス、限界を200%まで上げて!」

 身体中に激痛が走りますが、いい感じで動ける。


 素早い動きの風圧で、礼拝堂に飾られた花が乱れ舞う。


 魔人騎士に、いいのが一発入る。壁を破り、外まで弾き飛ばせた。


「普通に殴るだけでは、倒せないか」


 ◇


 私も壁の穴から外に出ます。


 魔人騎士が、興奮して、さらに筋肉を肥大化させました。

 ゴリラよりもデカいです。


「絶対に負けない! シリウス、限界を400%まで上げて」


 こちらも魔力の圧力を増します。身体が弾けそうです。

 白い鎧騎士の体に、赤いイナズマ模様が浮かび上がります。


「くらえ、美少女パンチ!」


 胸に一撃を入れると同時に、魔力を体内へ叩き込む! 奥義です。


 魔人騎士の背中側から、爆炎が噴出するのが見えます、、、

 青い体が、糸に戻り、ほどけて四散、消滅していきます。勝った!


 あ、後ろに王宮が、、、

 トンネルのような穴が開き、穴のむこうには、大きく削られた山が見えます。


 奥義を、制御できていなかったみたいです。

「もう空っぽ、眠い」



 ◇



 気が付くと、鎧騎士は解除され、魔力が少し回復しています。


 私は、お姫様ダッコされています。

「クロニィ・・・」


 ここは礼拝堂?

 花びらが、私たちの周りに、いっぱい舞っています。


「なんか、結婚式みたいだね」

「元気になったな、歩け」


「いやよ」

 クロニィに腕を回して、顔を見上げると、唇に赤いリップが、二つ付いています。



━ FIN ━



お読みいただきありがとうございました。


全5話で完結いたしました。

よろしければ、下にある☆☆☆☆☆から、作品を評価して頂ければ幸いです。


面白かったら星5つ、もう少し頑張れでしたら星1つなど、正直に感じた気持ちを聞かせて頂ければ、とても嬉しいです。


ありがとうございました、読者様のご多幸を祈願いたします。


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