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3) 古代の魔道具は危険がいっぱい?



 青空の下、コーンズ伯爵の屋敷は、意外と大きいです。


 私たち二人は、いつもの派手な制服に、深緑色のマントを羽織り、屋敷に潜入、、、いや、訪問しています。


「ここだけ、怪しいくらいに人の気配がない」

 私にも、危険な感じがビシビシ伝わってきます。


「魔道具「鎧騎士」装着!」


 魔力の糸が私を包み、鎧へと変わっていきます。

 艶消しの薄いピンクゴールド色、かわいいゴーレムキング、これ私ですよ。


 クロニィは、ガンメタリック色です。

 彼は、私の護衛であり、監視の役目もある、、、イケメンの幼馴染です。


「これを装着すると、新色の赤いリップが見えなくなる」


 ブツブツつぶやき、地下へと階段を降ります。


「待て、女性のすすり泣きが聞こえる」

 先行するクロニィが止まります。


 周囲を索敵します。


「この場所は、牢屋エリアなのかな?」

「人身売買の倉庫らしい」


「これ鉄の格子だね、どうする?」

「斬る」


 クロニィが、魔道具「木刀」で一閃、鉄が切れた!

 音を立てて鉄格子が崩れ落ちます。


「木刀なのに、鉄が斬れるんだね」

「これも、古代の魔道具だな」


 捕らえられていた人たちが音に驚き、騒いでいます。

 手錠は付いていません。


「助けに来ました。こっちの階段から外に逃げて! 外に騎士団がいます」

 カッコ良い所は、私がもらいます。


 というか、かわいいゴーレムキングを見て、怖がっているみたい。


 ◇


 屋敷の外が騒がしいです。逃げた人、騎士団、屋敷の関係者がもめる声です。

 このスキに、内部を探ります。


 ここは、地下に隠した裏の執務室のようです。


「二重帳簿だ。この屋敷を建築する際、補助金を不正受給している」

「この屋敷はハリボテ構造だ。強度が低いぞ」


 クロニィは、テキパキと仕事をこなすイケメンです。


 私も頑張ります。


「コンダス伯爵は「女性の人権法案」に反対して、お金を受け取っていますね。これは許せない」


 女性の権利のためには、必要な法案です。この法案が通れば、女性の王族に、王位継承権が正式に与えられます。


「こっちの帳簿は! やはり人身売買をやってる、ひどい」


 クロニィが、別の書類も写しとっています。

「治療費のピンハネの証拠もある、ひどいな」

「誰か来た」




 隣の部屋から声がします。

 壁越しに盗聴します。


「最近、上納金が減っているではないか!」


「治療費に税金を上乗せしているのですが、病気やケガでも治療にこれない奴らばかりで」

「もっと税金を上乗せしろ!」


「それに、病気やケガで亡くなる奴が多く、街の人口が減ってしまって」



「あいつら、許さない!」

「おい、ホシミッツ! 鎧騎士から、魔力が異常に漏れ出ているぞ、どうした?」


 私の鎧騎士が、白い?

 魔力を制御できない、私、暴走している!


 ◇


 目を覚ますと、青空が、そして屋敷が半壊しています。

 遠くで騎士団の声が聞こえます。

「なんか、前にも見たことある・・・」


「気が付いたか」

 そばで、クロニィが心配そうに見ています。

 上半身を起こすと、私は地面に敷いたシーツのような布に寝かせられていたようです。


「状況を説明して」


「お前は、魔力が暴走し、魔力を瞬間的に放出、つまり爆発させた」

「へ?」


 要約すると、魔力を爆発させて、あたりの柱や壁、天井を吹っ飛ばしたため、構造が弱い屋敷が崩れ落ちた。

 そして、魔力が尽きて、元に戻り、倒れた・・・らしいです。


「今は魔力が少し回復している、、、暴走中の記憶がない、夢の断片だけ・・・」


「コーンズ伯爵は縛り上げたから、休んでから、次の街へ向かおう」


 クロニィが、自分の左手首にはめた腕輪、魔道具「鎧騎士」を見ています。


「この魔道具「鎧騎士」は、古代の魔道具だな」

「人間では制御できない部分がある」

「装着は強制解除できたが、しばらくは使用しないほうがいい」


 私も、自分の左手首にはめた腕輪、魔道具「鎧騎士」を見ます。

「そうか、お前の名前はシリウスなのか」


「ん? 魔道具に話しかけるな、気持ち悪い」



「あれ? クロニィ、唇に赤いリップが付いている。どこで遊んできたのよ!」


 クロニィの眉間に魔法陣が浮かび上がり、電撃を発します。

「いてて、ちがう、ちがう」


「違わないでしょ、何なの?」

「言えない、いたい、やめろー」



「夢の断片は、、、夢だったのか、現実なのか」


 自分の唇を触り、空を見上げれば、透き通るような青です。



お読みいただきありがとうございました。


本日中に全5話を投稿して完結いたします。

よろしければ、下にある☆☆☆☆☆から、作品を評価して頂ければ幸いです。


面白かったら星5つ、もう少し頑張れでしたら星1つなど、正直に感じた気持ちを聞かせて頂ければ、とても嬉しいです。


ありがとうございました、読者様のご多幸を祈願いたします。


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