エピローグ
ご愛読ありがとうございます!
ここまで書き切れたのは読者様達のおかげです!
これからも別の物語でお会い出来れば嬉しいです!
本当にありがとうございます!
*1*
一人で学校に行く。
かつての親友の面影はなく、ただ一人で、残されてしまった現実で。
全てが終わり、一週間が経った。
その間に、髪を染めた。
青い毛先を真っ白にして、親友のことを真似る様に、忘れない様にするために。
「新卓!なんだ、その髪は! 」
怒る教師の言葉を聞いても無視して、授業を受ける。
学校では生徒会全員が失踪し、大騒ぎになっていた。
その事実も、その真相も全て知っているが有紗にとってはどうでもよかった。
色々な学生が行方不明になり、心配される中で、一人だけ、たった一人だけ話題にならなかった子がいた。
鏑木舎人子。
彼女だけは話題に上がらなかった。
「なぁ、君、舎人子の友達だろ? 」
一人だけ、舎人子の先輩が何度も聞いてきたが有紗は知らないと答えた。
知っているけど言わない。
それは私だけの記憶だから。
「前任からの手紙があるけど読まないの? 」
「私たちも気になるから読んであげるよ! 」
二人の天使から来た呼び声を無視して、彼女は一人、観測者だけが入れる部屋に入った。
*2*
部屋の中には机と椅子だけが置いてあるその上に一枚の紙があった。
何も考えず、その紙に手を置くと羅列されてる文字を読む。
「どんなに過去を変えようが未来は変わらない。俺が死んでも、破滅は変わらない。でも、その破滅に、死の運命を克服した君、有紗ならもしかしたら変えられるかも知れない。これから起きる破滅を迎えようとも君は強く生きてて欲しい。それが、観測者としての舎人子の願い」
自分勝手な舎人子。
自分が大好きだった舎人子。
3000回繰り返した違う舎人子であっても彼が彼女が書く文字は全く同じ癖があり、それを見て少しだけ泣いてしまった。
来る、終焉。
来る、破滅。
そんな勝手な事を言われても、有紗は彼を許し、彼もまた、舎人子であると確認した。
「終焉、ね。いいよ、あなたが望むなら私は、その破滅を回避する。リコが私が笑って過ごせる事を望んでいたんだから、私もようやく決心がついた。やるよ、やってやる。私は新卓有紗、リコとの約束を守る者だから」
手紙はビリビリに破られ、地面に落ちた。
彼らの決意を胸に、新たな観測者は現実世界に再び舞い戻る。
それが決して免れない終焉であろうとも。
それが決して許されない罪となろうとも。
新卓有紗は戦い抜く。
親友との約束を守るために。
トネリコ・イン・ミラーワールド〜普通を装う女子高生、並行世界で本気を出す〜 完
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サクラコ・イン・フューチャーワールド
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