幕間 鏡面世界のobserver 其の肆
観測者の憂いと希望。
次章、終章開幕。
*2*
「遂にやったね!」
「遂にやっちゃったね!」
「「調整!!! 」」
双子の天使はくるくる回る。
今日の姿はメイド服。
オールドタイプのメイド服に足を引っ掛けそうになりながらもくるくると綺麗に二人は三回転。
その部屋の主人は巻きつけられた自分を見て、ため息をつく。
イレギュラーばかりのゲームにうんざりするも、このゲームに僅かの希望も抱いていた。
二つの反する気持ちを抑え様と目の前の舎人子に視線を寄越すも、それもまた気持ちを抑えるには向いていなかった。
再びため息を吐きながら、ユグドラは思考する。
そして、眠る舎人子に話しかけた。
「俺という器に注がれた半分の狂気。舎人子、俺はお前を常に見てきた。いや、かつては動かしていた。お前は俺で、俺はお前。故の、奴隷。俺とお前は時の奴隷であり、運命の奴隷だ。まぁ、そのはずだったんだが、お前の器が俺で満たされる前にあの男がお前と接触し、お前の半分を狂気が満たした。俺が干渉できるのはこのディヴィジョン開催中だけであり、その期間以外は俺がお前という器を完成するための期間だったんだがな。3000回目だから、初期と同じ状況と条件でゲームを作った。それなのに起きた事はイレギュラーばかり。ゲームまでのシナリオすら捻じ曲がり、捻くれ、歪曲された。だが、これなら有紗を救えるかもしれない。それなら、それでいいんじゃないか?なぁ、舎人子、お前ならどうする?自分が本当に自分であるとするならば、お前は最後に何を選ぶ?どういう選択をする? 」
答えぬそれに向けるモノは期待と不安。
狂狂、空空。
終幕前の一廻転。
終わりは目前。
ゲームの勝者は誰になる?
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