20/20
大丈夫
気のせいだった……。
あのとき声が聞こえた気がした。
でも、 カミさまはやっぱりもう出てきてはくれなかった。
それでも、 わたしはなぜか微笑んでる。
なんだか、 大丈夫な気がしてる。
カミさまが、 大丈夫だって言ってたから?
そうかもしれないしそうじゃないかもしれない。
でも、 あの日、 死にそうで苦しかったわたしはもういない。
朝の光も憎くない。
でも夏の太陽はやっぱり、 まぶしい。
つめたいウーロン茶のボトルから
雫がぽたぽた地面に落ちていく
しみこんだ水滴はすぐに乾いて消えていく
カミさまのウーロン茶の思い出は、 あれからわたしの胸に染み込んでもう、 ずっと消えない。
と、 いいな。




