その7 串だんご
いや~田舎町の街道でね、
通りの茶屋で、
若い娘さんと旦那がいましてね。
お互い恥ずかしそうにね、
串に刺した団子を食べている姿を見てると憧れますよね。
私なんか、母親と妻に叩き売りされましたから、
気がついたら結納ですよ。
◆
しっかしね~、
この串に四つ刺した団子はね、
娘さんの小さな口でも食べられる。
醤油に、
あんこに、
きな粉。
好きな味を選べてね、
それを若い二人がほうばる姿ってのは、
実にいいもんですな。
◆
いや~恋路ってのは、いいもんですな。
◆
ちなみにね、
ご存じされていられない人もいますからね、
一応言っておきますが、
私は串に刺されてね、
妻に干物にされ、
実家から干されたんですよ。
◆
いやいや、皆さん笑いすぎですから。
◆
でね、
ウチの父親がね、
昔ね、
喉に団子を詰まらせたんですって。
母が背中を叩いても、
団子は出てこない。
それでね、母は父のね、背中を蹴ったんですって。
そしたらね、母に【つわり】が来たんですって。
◆
そして私が生まれる事となる。
◆
父はね、吐いた団子を見てね、
【白星】だと言ったんですがね…
後々、母親にきいたら、黒のね、ゴマ団子だったんですって。
◆
そりゃあね、
腹黒い子供がね、
生まれますよ。
◆
いやいや、皆さん笑いすぎですから。