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その6 たい焼き
いやぁ、
鯛焼きとはね、
よく考えたもんですよね。
鯛さんといったら祝いの席でしか食べられねぇ。
一生にね、
何度鯛を食べられるのか…
贅沢な魚ですよね。
◆
それをね、庶民の味にしてしまうんだから驚きですよね。
薄皮のね、
パリパリに焼けた鯛さんに、
あんこがびっしり詰まってる。
これをね、
一番硬い尻尾からかぶりつく。
焼けた衣に熱々の【あん】ですよ。
できたて焼きたての鯛焼きをね、
バリバリ、ハフハフ言いながらかぶりつくんですよね。
これぞ日本と感じますよね。
◆
もちろんフワフワ衣の鯛焼きもいい。
こうね、
ちぎってね、
あんこにフーフー息をかけてね。
女は小さな口で食べるんですよ。
上品ですなぁ。
男とはまた違った食べ方だ。
◆
しっかし、
テコで焼かれる鯛さんも大変だね。
◆
それでは退散しますね。
どうも鯛焼きが食べたくなってきた。
◆
え?
これから詳しく説明します?




