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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
第一章 ●演者:染谷大吉
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その8 タマネギと婆さん

しっかしね~


どうしてタマネギの味噌汁って、

ああも甘いもんなのかね。


タマネギをちょっと厚めに切ったり、

薄く切ったりしてさ。


その時の気分だよ。


そして赤味噌でね~


味噌汁を作ったらそれでいいんだよね。


砂糖を足したり、味醂を足したりしなくてくても甘いんだから、凄いよね。


そして握り飯でもあれば幸せだよね~。


こうね、人生もこうありたいってもんだよね。


グツグツ煮えてる世の中に放り込まれてもさ、ニコニコとあま~くなってるじゃね~か。


灰汁もほとんど出なくてさ。


私もタマネギさんのように生きたいね。



しっかし、店先で婆さんがこういう話をするもんだからさ、急にタマネギが売れてしまってね。



そしたら婆さん、皆が帰ったらアタシに手のひらを向けてね、

宣伝料をよこせって言うんですよ。


えぇ、あの落語家の母親ですよ。


もうね、あの婆さんはタマネギじゃなくてゴボウですよ。


煮たらね、たくさん灰汁が出てくる出てくる。



あの息子にして、この母ありですよ。


何でもね、息子がこの噺をすれば八百屋が喜ぶって、小遣いまでくれるって言ってたらしいんですって。


いや~、怖い怖い。




世の中甘くないね~




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