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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
◇第二部 第一章
68/172

その6 初代大吉⑥

小僧がね、

こんな小さな小僧がね、

ウチの焼き鳥屋の前にいるんですよ。


気が付いたらね。


こうね、

眉間にシワを寄せてね、

ウチの焼き鳥を見てる。


変な子でしたよ。


急にいたからね、

私もビックリしてしまってね、

思わず串を落としてしまいましたよ。


それからね、

その子はね、

友達と一緒にね、

ウチの焼き鳥を買いにくるようになった。



でね、

近所の孫六が言うんですよ。


【美味いのかい?】って。


そしたらね、

大吉がね、

首を振ってね、

うつむいたまま、

【ここの店主の顔がいい】とか言うんですよ。



ハッとしましたよ。


妻がね…妊娠してたんですよ。



【よく分からない】って京子ちゃんがね。


ええ、

呉服屋の娘さんですよ。



それからあの三人がね、

ウチの屋台の前でね、

焼き鳥を喰らうんですよ。

一心不乱に喰らうんですよ。





大人も驚きますよ。

いや~、

儲かりますよ、そりゃあ。





ウチはね、

寄席でね、

大吉さんに宣伝されていないんですよ。



昨日も大吉さんがね、

ウチの店先で怖い顔して食べてますからね。





ええ、

宣伝しなくてもいいんですよ。




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