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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
◇第二部 第一章
67/172

その5 初代大吉⑤

え?

弟?

大吉?



大吉はさ、

子供の頃、

よく鼻くそほじってたな~



ね、この噺をすると皆が笑うんですよ。



私は役者でしてね、

芝居小屋で芝居をするんですよ。


時には地方にも呼ばれましてね。



そもそもね、


大吉がね、

子供の頃にね、

兄ちゃんの声がいい。

立ち姿がいいってね、言うんですよ。


八歳位の頃かな、

急にね、

私の顔をマジマジと見て言うんですよ。


【不細工なのは仕方がないが化粧をすれば何とかなる】ってね。


【でも、声と立ち振舞いは化粧できない】ってね。


よく、子供の頃にね、私は義経様とか演じてましたからね。



それからですかね、

芝居の門を叩いたのは。



ここでね、貧乏農家の長男が、役者になってしまったんですよ。


ええ、

大吉はね、

今でもウチの芝居を見に来ますよ。


もうね、

何となく分かる。


弟が来てるってね。



だって、客席の空気が悪いんですから。





ね?

この噺をすると皆が笑う。





だからね、私は言うんですよ。


【客席に弟の大吉がいるぞ!】ってね。


【つまみ出せ!】ってね。



そこで皆が笑うんです。





ああいうのをね、鵺【ぬえ】って言うのかな。







ええ、

兄弟ってのはいいもんですよ。




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