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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
◇第二部 第一章
66/172

その4 初代大吉④

え?


大ちゃん?


ん~、とりあえず面倒な人でしたよ。


いっつもね、

下を見てね、

暗い顔をしてブツブツ呟いてた。


私と孫六がね、

見かねて遊びに誘ったけど…

ずっと暗いままだった。


屋台の前を通ってね、

それを食べようという噺になるとね、

私のね、

手首を握っているんですよ。

井戸の底のような暗い顔でね、


【京ちゃん、今日はダメだ】ってね。


【旦那の顔が暗いから今度にしよう】って言うんですよ。



言います?普通。

子供がですよ、

六歳の子供がですよ。



まぁ、

ウチは呉服屋ですからね、

大吉の着物をこしらえますよ。


大吉のお陰で随分と着物の仕事が増えましたよ。



でもね、

私はね、

あの大吉を素っ裸にしてね、

やれ不細工とか、

やれ腹が出ているとか、

やれ足が細いとか、

臭いとか、

さんざん文句を言ってあげてますよ。


そして着物の寸法を計って仕立てるんです。





どうです?

うらやましいでしょ?




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