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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
◇第二部 第一章
65/172

その3 初代大吉③

え?


大吉ですか?


何かね、気がつくとウチの家にいましたよ。


幼なじみですからね。


京ちゃん、孫六、大吉ってね。

ええ、ここいらでは有名ですよ。


でね、

ウチの父親は仕出し屋の店主でしてね、

毎朝弁当を作ってる。


寄席に

歌舞伎に

冠婚葬祭。


そういう所に料理を届ける。



何かね、

全く分かりませんがね、

ウチの父がね、

大吉を側に置いたんですよ。



子供にね、

ダシが出来たら味見をさせるんです。


数年したら、

煮物を煮ながらね、

【ここで味が決まった】とか言ってね、

大吉に味見させるんですよ。



【これが昼くらいに丁度いい塩梅になる】とかね…


大吉の目をね、しっかり見て言うんですよ。



多分ね、

グータラ息子の私が、

店を継いだ時にね、


判断できる人が欲しがったんですかね。



ええ、


大吉の昼の公演には毎日届けてますよ。



店を継いでね、

やっとこさ形になった所で、

父が亡くなったんですよ。



そしてね、葬儀が済んだ数日後にね、

急に厨房に大吉が来て、

弁当を食べた。



いや~ね、

【やい孫六!】ってね、

父親みたいにね、

ボロクソ怒られましたよ。





ええ、

今では笑いのタネになってますよ。




えぇ、

おかげさまで、

ウチは繁盛してますよ。




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