表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
第八章 ○演者:染谷京夜
57/172

過ぎし日 その4 ○ マークとリサがやって来た

マークです。


あれが本物のディナーでしたね。


こうね、

ママさんのね、

魚肉ソーセージのソテーが美味しかった。


分からないですけどね。


とんでもなく美味しかった。


私と妹にね、

フォークを笑顔で手渡して頂きましてね。


そこでね、私はホッとしたんですよ。


もうね、食べましたよ。



途中でね、

【マスターダイキチ】がね、

私にね。

無言でね、

親指を立てて拳を握るんですよ。


【美味いだろ?】ってね。


もうね、

言葉が通じなくても分かる。


涙がこぼれましたよ。


ええ、

泣きながらご飯を頂きましたよ。



茶碗の米がなくなると、

ママさんがね、

ご飯茶碗にお米をよそってくれて、

私は味噌汁二杯に、

ご飯を三杯も食べましたよ。


【マスターダイキチ】はね、

自分の皿には一切手を付けずにね、

そっとね、

私達にね、魚肉のソテーを渡すんです。



それからね、

ママさんは私と妹を車に乗せてね、

家まで送ってくれたんですよ。



それからね、

多分、

ママさんが配慮してくれたのか、

妹はね、

放課後に児童館に行かずにね、

【マスターダイキチ】の家にね、

いったん寄る事になったんですよ。


そしてね、

私は【マスターダイキチ】の家にね、

妹を迎えに行く。


そしてね、

私の父もね、

【マスターダイキチ】の家でね、

晩ごはんを頂くようになったんですよ。


これもママさんの優しさですかね。


何せウチの父親は、

簡単な料理しか出来ませんからね。



そこからね、

私は日本語を覚えたいと思うようになったんですよ。



心がね、

焦がれるくらいにね、

どうしようもなく熱くなったんですよ。



【マスターダイキチ】の手の温もり。


ママさんの笑顔。





えぇ、今でも忘れませんよ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ