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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
第八章 ○演者:染谷京夜
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過ぎし日 その2 ○ マークとリサがやって来た

マークです。


【マスターダイキチ】、

京夜のお父さん、光陰さんと出会ったのは、

公園のベンチでしたね。


放課後にね、

妹のリサを児童館に迎えに行ってね、

手を繋いで帰るんですよ。


その日はなぜかね、

二人で公園のベンチに座っていたんですよ。


もうね、

寂しかったんでしょうね。


もうね、公園のベンチで泣いていましたよ。


妹はね、

頭がいいから、ポツポツとね、結構日本語を話せるようになっていた。

友達も出来たと嬉しい顔をする。


でもね、私には友達が一人もいない。



私は正直ね、日本語を覚える気がなかったんですよ。



興味があるのは、【マスターダイキチ】の息子さんが貸してくれた本とか、歴史の教科書、それも江戸時代の挿し絵だけをずっと眺めてた。



なぜだかね、自分でも分からないんですけどね。



そしたらね、目の前にね、

柿渋のね【キモノ】を着たね、

【マスターダイキチ】がね、立っていたんですよ。



怖い顔をしていましたよ。


眉間にシワが走っていてね、

私の顔をね、

怖い顔で見下ろしていましてね。


こんなに怖い人の顔は生まれてはじめて見ましたよ。



でね、

【夕飯はウチで食ってきな】ってね、

おっしゃっていたらしいんですって。


こうね、ジェスチャーでね、ご飯を食べる仕草をして頂いたんですよ。



私はうなずいたんですね。


なぜかは分かりませんよ。


しっかしね、

あったかい手でしたよ。





私は【マスターダイキチ】に手を握られてね、

片方の手で妹のね、手を握ってね、

【マスターダイキチ】の家に連れていかれたんですよ。




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