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その5 江戸前の握り⑤
そこでね、アサリの味噌汁ですよ。
いや~
ホッとしますよね~
しっかり砂抜きがしてあって。
江戸前を感じますよね。
◆
でね、
二品目は何だと思います?
なんと、梅干しですよ。
梅干しの海苔巻き。
◆
もうね、四次元ですよ。
◆
大将の意図が分からない。
でもね、食べてみるとね、
なるほどなってね。
先程のね、
鮭の脂の美味さの対極ですよ。
今度は米を味わうって事ですね。
舌の脂を洗い流し、
天日干しした梅のね、
酸っぱい梅で唾液がふくれるとね、
米がね、
口の中で甘い甘い。
紫蘇の香気も相まって、
もうね、
かぶりつくしかないんですよ。
そこでね、
アサリの味噌汁ですよ。
でね、
添えられた沢庵ですよ。
もうね、大将の腕に脱帽ですよ。
私もこんな落語をやってみたいってね。
◆
ね?
そう思いません?