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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
第六章 ●演者:染谷大吉
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その7 浮いたゴボ天

こうね、茶漬けを食うんですよ。


若い頃には特にね。


真夜中に

茶沸かし茶沸かし

茶漬け飯

沢庵添えて

鮭添えて


ね?

いい句でしょ?


こうね、独身の男がね、

夜中にね、

一人静かに茶漬けをかっこむ姿ってのも粋なもんですよ。


皆さん茶漬けに何を乗せます?



私はね、

昨日は五朗さん所の天ぷらを乗せましたよ。


五朗さん所の天ぷらといえばね、ゴボウとニンジンなんですよ。


ええ、千切りにしたそれをね、粉に混ぜてね、揚げるんです。

それを紙にくるんで家にね、持って帰るんですよ。


きんぴらごぼうを揚げたみたいな感じてすね。

でもね、もちろん味は付いていない。


でね、ご飯の上にその天ぷらを三個、四個乗せましてね、

乗せてですよ、

丼の脇から茶を注ぐんですよね。


天ぷらに茶を注いではならねぇ。


でね、

でね、

分かります?


天ぷらにね、醤油を足らしてね、

かっこむんですよ。


天ぷらはいつもいつもシャキシャキしててね~


ゴボウとニンジンの歯応え。

たまりませんね。



いや~

お腹がすいた。


皆さん、ちょっと待ってて下さいね。


これから五朗さんの天ぷら屋に行ってきますからね。



オチはそれからで。




いやぁねぇ、

売れきれたら困るんですよ。





え?

困るって?


じゃあね、

これから皆で行きます?


いいですよ。

今日の寄席はね、

アタシで最後ですから。



分かりましたよ、分かりました。


これから皆で行きましょうよ。


知らない人にはね、

私が道案内しますから。



え?

オチ?


オチはって?



いやいや、

落ちてはいませんよ。


浮いてますよ。


いやだねえ、

皆さん、落ちるどころか腰を浮かしているじゃないですか。




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