その3 味噌田楽
田楽ってのは美味いですな。
豆腐に赤味噌を塗って炭火で焼く。
焼いてるとね、
こう、味噌の香気が立ち込めてくる。
これをね、ハフハフ言いながらかじりつく。
これがね、年がら年中食べられる。
田楽さんって偉いですな。
私はこうね、茶碗に乗るくらいの大きさに田楽を切ってね。
ご飯の上に田楽を乗せて、茶漬けにするんですよ。
もちろん、田楽に直接お茶はかけませんよ。
田楽といえばね、そこの通りの田楽屋ですよ。
あそこの店主にね、教わったんですよコレ。
あの辛めの味噌と米とお茶。
たまりませんよ。
しっかし、あの化粧はどうなんですかね。
茶色い化粧をしたら、女はモテませんよってね。
白味噌で焼いたらどうなのかって店主にきいたらね。
関西の味噌は高いってね。
遠くから運ばれてくるから高いってね。
じゃあ、白味噌を作れば?ってね。
そう味噌屋に言ったんですよ。
へいへい。
今はね、
赤と白の田楽が通りの田楽屋で売ってますよ。
◆
え?
オチですかい?
◆
オチはないですよ。
落ちないですよ。
◆
茶漬けの米はつまんだら箸から落ちますからね。
こうやってね、かっこむんですよ。
こうすると箸から落ちないでしょ。
へっへっへ~。
◆
楽屋にて。
◆
これでどうです?
田楽屋さんと味噌屋さん。
おっと、豆腐屋さんもね。
それじゃあ、
相談料を頂きましょうか。