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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
第六章 ●演者:染谷大吉
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その2 酒に板わさ

こうね、目の前をね、

馬が駆けて行くわけですよ。


タッタカ、タッタカってね。

乗っているのはお侍さんですよ。

そう、あれは多村家のね、お武家さんの息子さんでしたよ。


急いでいるみたいでね。

どこかに向かって行くんですよ。


アッシはね、それを見送りながら居酒屋のね、のれんを潜るんですよ。


えぇ、駒田屋ですよ。


それからね。


板わさでね、日本酒を飲むんですよ。


あそこの板わさは自家製で、こだわってますからね。

美味いですよ。


でね、ふと思ったんですよ。


あの息子さん、

ふんどし一丁だったなあって。


ビックリしますでしょ?

私もね、今さらながらビックリですよ。


何があったんだって?


理由をききたくて、

追いかけようかと思いましたよ。


馬に乗っていたから諦めましたけどね。


ああいうのを、

いっちょまえ【一丁前】って言うんですかね。


でも、一丁前って【一人前】って意味でしょ?


だからね、一杯飲みながら…


あの息子さんも、一人前になったんだなぁって思う事にしましたよ。



その後ね、

そこで働く駒田屋の息子さんにね、

慣れてきたねって、板についてきたねって。


言ったんですよ。


でも、ふと思うんですよ。

カマボコは板から離れてしまってる。


もう板には付いていない…


こんな風にね、少し酔いながらね、

板わさにね、ワサビに醤油、

それでチビチビ食うんですよ。


実にオツなものですよ。



いやぁね、

駒田屋に相談されましてね。


ええ、カマボコの宣伝をですよ。


でね、噺にしようとしたら嫌に難しいじゃないですか。


白旗ですよコレは。

まるで駒田屋のカマボコのようだ。





この噺を寄席でしたらね、

駒田屋のカマボコは厚くなったんですよ。







分かります?




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