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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
第四章 ○演者:染谷京夜
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ありし日 その1 ○ 夫婦喧嘩とハンバーガー

十五代目大吉になる予定の…

染谷京夜でございます。



そう、ここが笑いどころ…



さてさて…わたくし結婚しましてね。



いや~拍手まで頂いて、ありがとうごさいます。



さて、

これからハンバーガーの噺をしますよ。


正確には【ハァムバーガー】ですね。


はい。

皆さんで言ってみましょう。


【ハァムバーガー】


いいですねぇ。


こう言うとね、何だか本場の英語っぽくきこえるんですよ。

テキサスの風を感じる。


でね、

ハァムバーガーのセットを頼んでね、

先にポテトをつまむ。


正確には【ポテイトォ】ですね。


まずね…

熱々に揚げたポテイトォをね…


ひとつ、つまんでひとかじり。


ふたつ、つまんでひとかじり。


硬いのかフニャフニャなのか、

この店は前菜ににどういう考えを持って挑んでいているのかが分かりますね。


まずは産地ですよね。

大間なのか、

江戸近郊なのか、

もしかして、これは長崎県産?


分からなかったらきけばいい。


あとね、もちろん基本は塩ですね。

海塩か岩塩か、どうゆうコダワリがあるのかを推し量ります。


分からなかったら、二番手の息子に

きけばいい。


大将はハァムバーガー担当ですからね。

ポテイトォを揚げるのは二番手の息子ですよ。


前菜ですからね。

ちょっと息子さんと話しておけばいい。


この塩が美味しいですね、とか。


塩加減が絶妙ですね、とか。


ホクホクしている、とか。


常連になったら、

相変わらす美味いね~、とか。


こうね、二番手の仕事にも目を配る。


将来、大将になりますからね。

二番手の仕事もしっかりと楽しまなくてはならない。


こういう会話から、

会話からね、

今晩のディナーが粛々と始まるんですよ。


しっかしね、

ポテイトォも大切なんですよ。


メインの前にどういうポテイトォで攻めてくるのか息子の実力が問われます。


あと、ポテイトォの長さですね。

長いのか短いのかですね。


大きく口を開けて頂くのか、

それとも小さく?


ポテイトォを研究している二番手の想いを感じとります。


女性には短くとかね、

旦那には長くとかね、

ご隠居には柔らかくとかね。


ハァムバーガー屋には煮方、つまりは煮物担当はいませんからね。


煮るは【揚げる】になるんですよ。



あとね、テイクアウト、持ち帰り時も重要ですよ。


アメリカではね、

紙袋の中で、こぼれるくらいポテイトォが入っている店もありますからね。


でね、袋を手に持った時の量感。

その重さ、そこにお店の方針を感じとります。



袋の中でね、

こぼれていないポテイトォは適量のサイン。

メインのハァムバーガーに向けて、粛々と準備を進めている姿勢。



かたや、紙袋の中であふれているポテイトォは、郷愁。

なつかしさ。


あの、生まれ故郷の、アメリカを感じさせてくれるんですよね。

子供の頃にポテイトォをたくさん食べたってね。





おっと、ここで若女将の登場だ。





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