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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
第三章 ●演者:染谷大吉
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その4 サンマに念仏

なぁ、魚屋の店主よ。


どうもこうも、いい香りがするじゃないか。

焼いた秋刀魚を軒先で売るとはね。


で?

どうしてこんなに美味そうな匂いがするんでい?


え?

そりゃあ旬だし、脂も乗ってる?

今が一番美味いって?


それは秋刀魚にきいたのかい?


え?

きいていない?


じゃあ、アタシがね、これから持ち帰ってきいておくよ。


丁度、一匹売れ残ってるしね。


お代?


いやいや、いいんだよ。

明日、この秋刀魚さんは返すから。

今晩は秋刀魚さんとお話をしておくよ。


え?


焼かれてるし、

死んでるって?


大丈夫だよ。

秋刀魚さんの声はちゃ~んと私にはきこえるからね。


おや、そこの刺身は美味そうだね。

そちらのお代はしっかりと払うよ。


じゃあ、明日、また来るよ。



今日も来たよ。


え?


秋刀魚は何て言ったって?


あぁ、墓に埋めてくれだとよ。


あっしはね、仕方なく墓に埋めて、線香を焚いてね、こう手を合わせた。


しっかり成仏しなすったよ。


あぁ、大往生さ。





で?

今日は何が売れ残ってるんだい?




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