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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
第三章 ●演者:染谷大吉
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その2 海苔に醤油に

いやぁね。


海苔が食べたいんですよ。

食べたくなっちゃうんですよ。


こう、どうしようもなくね。


もう、本当にどうしようもなくね。


海苔に醤油をつけてね、ご飯にクルッと巻いてね。

それだけですよ。


でね、海苔屋に行ったんですよ。


それからね、海苔を買おうとしたらね、

焼き海苔に、味付け海苔とかあるんですよ。


じゃあ、どっちをご飯に巻いたらいいんだろうってね。


困りますよね。


でもね、ふと思ってね、

とりあえずね、両方買ったんですよ。


そしてね。

食べ比べたんですよね。


いや~楽しかったですよ。


交互に巻いてね。

食べ比べてね。

醤油を付けたり付けなかったり。


海苔の表と裏、どちらに醤油を付けるべきなのかとか考えたり。


そんな最中に味噌汁をすすってみる。


いや~幸せですよね。


こんな一枚の黒いお札みたいのを食べて味噌汁すすればね、

お腹が膨れるんですから。


でね、

この前。

ご飯に海苔を巻く噺を知人の家でしましたらね。


いや~夕飯前に三時間くらい話しましたよ。

そしたら時間だからって、ご飯を頂きましたよ。


もちろん、オカズは海苔ですよ。


海苔は凄いですよね。


おまけにお酒まで頂いてね。


いや~海苔は凄い。


ご夫婦の家に長居するわけにもいきませんから、帰りましてね。



それからね、

海苔を食べたい日はね、

海苔を持って知人達の家を訪ねるんですよ。


晩飯は海苔を巻く。

当然、海苔の噺で盛り上がってますからね。

でね、そこで味噌汁が付く。


いや~楽しいですよね。

家によって様々な味噌汁がある。


この前ね、カブの味噌汁なんて頂きましてね。


ええ、この黒いお札をもって行けば、ご飯に、味噌汁が付いてくる。


何よりね。

その家のね、自慢の漬け物が付いてきましたりするんですよ。

沢庵やらキュウリ漬けとかね。


だからね、時々、忘れた頃にね、

この黒い札を持って知人の家に行くんですよ。



え?

ウチの海苔が高い?

だからね、ウチの海苔はね、

よそより厳選していますからね、お高いんですよ。


ええ、

ご飯に、

味噌汁に、

漬け物も付いてきますから。


酒代はまけてありますからご安心下さい。




え?


酒に海苔は巻けないって?




じゃあ、酒代はオマケしませんよ。




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