その2 海苔に醤油に
いやぁね。
海苔が食べたいんですよ。
食べたくなっちゃうんですよ。
こう、どうしようもなくね。
もう、本当にどうしようもなくね。
海苔に醤油をつけてね、ご飯にクルッと巻いてね。
それだけですよ。
でね、海苔屋に行ったんですよ。
それからね、海苔を買おうとしたらね、
焼き海苔に、味付け海苔とかあるんですよ。
じゃあ、どっちをご飯に巻いたらいいんだろうってね。
困りますよね。
でもね、ふと思ってね、
とりあえずね、両方買ったんですよ。
そしてね。
食べ比べたんですよね。
いや~楽しかったですよ。
交互に巻いてね。
食べ比べてね。
醤油を付けたり付けなかったり。
海苔の表と裏、どちらに醤油を付けるべきなのかとか考えたり。
そんな最中に味噌汁をすすってみる。
いや~幸せですよね。
こんな一枚の黒いお札みたいのを食べて味噌汁すすればね、
お腹が膨れるんですから。
でね、
この前。
ご飯に海苔を巻く噺を知人の家でしましたらね。
いや~夕飯前に三時間くらい話しましたよ。
そしたら時間だからって、ご飯を頂きましたよ。
もちろん、オカズは海苔ですよ。
海苔は凄いですよね。
おまけにお酒まで頂いてね。
いや~海苔は凄い。
ご夫婦の家に長居するわけにもいきませんから、帰りましてね。
◆
それからね、
海苔を食べたい日はね、
海苔を持って知人達の家を訪ねるんですよ。
晩飯は海苔を巻く。
当然、海苔の噺で盛り上がってますからね。
でね、そこで味噌汁が付く。
いや~楽しいですよね。
家によって様々な味噌汁がある。
この前ね、カブの味噌汁なんて頂きましてね。
ええ、この黒いお札をもって行けば、ご飯に、味噌汁が付いてくる。
何よりね。
その家のね、自慢の漬け物が付いてきましたりするんですよ。
沢庵やらキュウリ漬けとかね。
だからね、時々、忘れた頃にね、
この黒い札を持って知人の家に行くんですよ。
◆
え?
ウチの海苔が高い?
だからね、ウチの海苔はね、
よそより厳選していますからね、お高いんですよ。
ええ、
ご飯に、
味噌汁に、
漬け物も付いてきますから。
酒代はまけてありますからご安心下さい。
え?
酒に海苔は巻けないって?
じゃあ、酒代はオマケしませんよ。




