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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
◆ 第三部 第五章
148/172

後書き 【漆の時そば】

え~

宗形です。


漆ですか?


俺と同い年だよ。



ああ…


子供の頃から無類のそば好きだよアイツは…



趣味が高じてね、

そばの屋台をやったりね、

子供達に読み書き【そろばん】を教えてた…



初代は凄すぎただろ?


それを見てたんだろうよ…


どうして貧乏農家の次男坊が…

これだけ人に愛されるかってね…


不思議だったんだろう…



しっかしね…

ここの地域では…

漆といったら神様だよ。



初代同様、

皆から尊敬されてる。


特に子供にね…



アイツは【そろばん】片手にね…


子供に読み書きそろばんを教えやがる。


しかもタダでね…



でもね、

子供達の両親は申し訳ないからって差し入れするのさ…



八百屋は大根…

魚屋はアジ…

着物屋は、ほどけた着物をタダで縫う…


いつも漆の周りにはね…

人が集まってたよ…



そうだね…

漆には【ツヤ】がある…



初代は分かっていたのかね…





それで漆はどうなったと思う?







なんと藩のね…





【相談役】に選ばれてしまったのさ…



殿様達も庶民の生活を知らなくちゃならないだろ?


だから漆を、城に迎え入れるのさ…


呼ぶんじゃないよ…

迎え入れるのさ…


庶民の噺をききたがる…



そして政治の相談をするのさ…


藩の財政を漆に相談する…





でね…

わずか18才でね…


初の【相談役】の役職さ…







凄いだろ?





【相談役】になってくれって頼まれた時…


漆は何て言ったか分かるかい?



受けてもいいが…


私はまだ18だ…





18数えても…

まだ蕎麦は茹で上がらないよってね…







これぞ漆の【時そば】です。




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