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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
◆ 第三部 第四章
142/172

その7 カツオのタタキ

刺身といえば…

カツオですかね…


カツオといったら、

カツオのタタキですかね。


薬味は…

ネギか、

ニンニクか、

ショウガですかね…


でもね…

私はね…

そんなに好きではないんですよ…


土佐の人達には悪いですがね、

やっぱり人間ですからね…

好き嫌いはありますよ。


でもね、

これだけ愛されてあるんだから、

カツオは美味いと思いますよ。



しっかし…

あんまり私は好みませんね。



でね…



この間…


京子ちゃんとね…

幼馴染みの京子ちゃんとね…

そこの呉服屋の女主人の京子ちゃんとね…

昼飯を食いに行ったんですよ。


ええ…

私の着物を仕立ててくれるね、

呉服屋の京子ちゃんですよ。



この着物も京子ちゃんが手配してくれました。


いつも私の着物はね、

シワもなく…

スッとしてますでしょ?



着物に困ったらね、

京子ちゃんの呉服屋に行くといいですよ。


女にはオシャレも必要ですからね。

これも器量に入ります。


普段着から、結納の時の着物まで…

何でもござれです。



でね…



京子ちゃんはね…

勝手にカツオのタタキを二人前頼んだんですよ。


まぁね、

仕方なく食べる事にしましたよ。



まあね…

お互い結婚しましたから…

互いの夫婦生活について話すんですよ…



そして昼飯がやって来た。

味噌汁、白米、カツオのタタキですよ。



そしたらね…


京子ちゃんがね…


【カツオ好きじゃないでしょ?】


【私が食べるわ】


って、私のカツオの皿を奪い取ったんですよ…



ビックリしますでしょ?



思わずね…

言ってしまいましたよ。





おい!

磯野~







え?







分かりませんか?







これから野球でもします?




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