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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
◆ 第三部 第四章
137/172

その2 タコの刺身

留吉さん、

今日の晩酌は【タコ】のお刺身です。


私にとってね、

タコはお正月の刺身なんですよ。


留吉さん、お正月には何を食べます?


え?

おせち?


へ~

ウチは貧乏だから…

お母さんの【煮しめ】ですね。

それでおしまい…


そしてタコの刺身なんですよね。



嫌ですよ、

私がお酒を注ぎますから…



だからね、

こうね、

タコを食べるとお正月を感じるんです。


あの赤い皮、

弾力のある歯応え、

頭も食べられるし、

吸盤はコリコリ、

醤油がなくても充分美味しいんです。



ね?

美味しいでしょ?





でね、

この噺には落ちがあるんです。

分かります?





え?





閃きません?





さては酔ってきましたね。



落ちはですね…





タコは落ちてはいないんですよ…







だってね…

タコ壺の中に【入って】釣らてくるんですから…





はい!


こういう感じでね、

タコの刺身を出しながら、

ニコニコ笑いながらね、

男に酒を注ぎながら話すんです。


時々ね…

男の肩に手を触れながらね…



タコの刺身と酒を用意して…

好いた男にね…

この噺をしてください。





ええ…

男はね…

娘さんの家にね、

必ずまた来ますから…







これから将来の鬼嫁にね…

茹でられるとも知らずにね…




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