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【長屋小噺】 三分間のメロンソーダ  作者: 長屋ゆう
◇第二部 第六章
113/172

その6 あか抜ける

こうね、

時々ね、

兄が家に来るんですよ。


【元気してたか?】ってね。


そしてね、二人で風呂屋に行くんですよ。


アカをね、

そう、背中の垢をね、

互いに落としてもらうんですよ。

硬く絞った手拭いでね。


これは昔からでしてね。

兄弟でそろって垢を落とす。


何ともね、兄弟とはこういうものですよ。


でね、田舎からお江戸に来た娘さんがね、【垢抜けた】とか言うじゃないですか。


本当かい?って思うんですよ。


背中の垢は落ちたのかい?って。

誰が背中の垢を落としてくれたのかいって。


だからね、

風呂屋の爺さんの番頭にね、

本当に垢抜けたのか確認したいって言ったんですよ。


そしたらね、

爺さんが【確認してくる】って言うんですよ。


【それは違うでしょ】って言ったらね、

爺さんは、

【あんたは女湯に入れないし、ここの責任者は私だ】とか言うんですよ。


ズルいですよね。


だからね、

番頭が女湯に行った時にね、

風呂上がり後のフルーツミックスをね、

兄弟そろって頂くんですよ。



もちろんタダですよ。



番頭もしぶしぶ納得してますよ。





そりゃあそうですよ。

【見物料】は頂かないとね。




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