100/172
その3 ピンクの小さい餅
百話目になりましたね。
◆
皆さん、拍手をありがとうございます。
◆
では、百話にふさわしい噺をしましょうか…
◆
こうね、
分からない駄菓子があるんですよ。
ピンクのね、
こうね、
四角くて、
子供の小指くらい小さくてね、
こうね、
グミもない、
餅でもない、
とりあえずピンクなんですよ。
桜を思わせる駄菓子。
これぞ女の子の駄菓子ですよね。
◆
名前は分かりませんよ、
思い出しただけですから。
◆
ええ、
そんな駄菓子ですよ。
◆
こうね、
確か十二粒くらい入っていましたかね。
でね、
お上品にね、
爪楊枝で刺して食べるんですよ。
◆
近所のね、
好きな女の子が食べてましたよ。
◆
いや~懐かしいな~
好きな女の子がね、
小さな口であれを食べる。
試しに私も買ってみる。
◆
いや~甘酸っぱくてね、
女の子とキスをしたら、
彼女とキスをしたら、
こんな味がするのかって、
私は胸をときめかせるんですよ…
◆
でね、
世の中便利になりましてたよね。
インターネットで調べれば分かるじゃないですか?
◆
でもね、
調べませんよ。
◆
え?
何でかって?
◆
いや~、
女心なんて、
調べたって分かりませんから…
◆
そうです、
ここが落ち所…




