1-8 初依頼
1-8 初依頼
俺たちは受付へ戻り掲示板に向かった。
「ここに依頼が貼ってあるみたいだな。Gランクの依頼はっと」
常設依頼
ゴブリン討伐×五匹
報酬…千リラ
スライム討伐×五匹
報酬…千リラ
薬草採取×二十束
報酬…五百リラ
魔力草採取×二十束
報酬…千リラ
この四つは依頼を受け付けに申請しなくても討伐、又は採取した分だけ報酬を貰えるようだ。
毒草採取×十束
報酬…千五百リラ
ホーンラビットの肉納品(二十個まで)
報酬…納品数×二百リラ
トイレ掃除
報酬…二百リラ
配達
報酬…千リラ
魔法実験補助
報酬…五千リラ
※口止め料込み。怪我の可能性あり。
「さて、どれにする?」
「そうねー、常設依頼は何かの依頼のついででいいんじゃない?」
「ホーンラビットが一番儲かるし、それにする?ついでにスライムとゴブリンを倒して、薬草と魔力草を採取しておけば数足りなくても次の機会に依頼達成できるんじゃない?」
「たしかにそうよね、そもそも魔法実験とか怖くてやりたくないし、他の依頼も時給換算したら割に合わなさそうな予感するよね!だって安全な場所での依頼だし」
「それじゃあホーンラビットの肉納品を受けよう!」
「はい、それではホーンラビットの肉納品の依頼ですね。受理しました。こちらの依頼は三日以内になります」
「すみません、質問なんですがホーンラビットの肉をうまく手に入れてからこの依頼を受けるのってありなんですか?」
「はい、そういう方も少なくはありません。罰金を支払うリスクがなくなりますからね、しかしその場合は、依頼が他の人に受理されてしまいせっかく手に入れたホーンラビットの肉を無駄にしてしまう可能性があります。ギルドでも買い取りはしていますが、ホーンラビットの肉の買い取りは一つ五十リラですので、今回のこの依頼の四分の一ですね」
「ああ、そりゃそうか…わかりました。ありがとうございます」
「はい、お気をつけて」
「ねえねえレンくん!ここに魔物図鑑があるよ!」
「なに!?それはでかした、ユメノ!早速ホーンラビットを調べるぞ!」
「えへへ、ホーンラビットは頭に一本のツノがある小さい兎の魔物みたいだね。特に目立った強さはないけど格闘戦に注意だって!」
「へ?ツノでの攻撃じゃないの?」
「ツノでも攻撃してくるけど格闘戦に混ぜてくる感じらしいよ!むしろ蹴りとかパンチの威力が結構高めだからそっちを注意した方がいいみたい!」
「これは読んでいてよかったかもな」
「あ、この図鑑この周辺のみだけど分布図まで載ってる!」
「分布図?」
「うん、スライムとゴブリンとホーンラビットとボアとオークの五種は非常に多いらしくだいたいそれぞれ近くの迷宮から出てきてるみたい」
「ほうほう、それで?」
「えーと、ホーンラビットはここから真東にいった草原によく出るみたいね。スライムとゴブリンは東西南北どこにでもいるって!」
「それはちょうどいいな。よし、行くか!」
そうして東の草原に向かう。俺たちは武器を買う金もないから慎重に索敵をし、遠距離からの魔法で戦うことにした。
「いたわ、ゴブリンよ!」
「よし、ファイアーボール」
一撃でゴブリンはドロップアイテムだけ残し消えた。ドロップアイテムは魔石のみ。
ファイアーボールは火魔法の初級魔法だが、創造魔法でも創る事ができた。細部まで同じかはわからないが…
さらにファイアーボールを創ったことにより火魔法も覚えたしまった。
そこで本物のファイアーボールを使ってみたが、まぁ、見た目は同じであった。
そらからホーンラビットを四十三匹倒したところでホーンラビットの肉が二十個集まった。ゴブリンとスライムはどれだけ倒したか覚えていない。
途中薬草と魔力草を見かけたので出来るだけ採取しておいた。
帰り道、魔法創造で残ったMPが勿体無いのでMPが三分の一切るくらいまで魔法を作り続けた。
結果…
異次元倉庫
各属性ボール系魔法。
各属性ウォール系魔法。
転移
ワープ
を創った。
レベルも上がり随分MPに余裕があったからな、創るのにMPが多く必要だと言っても結構余裕があった。
そしてもう一つわかったことは創った魔法の下位スキルは会得できてしまうこともわかった。
魔法を創れば創るほどスキルが増え、ステータスの成長値に対する補正も増えて行く。
自分がやりたいようにやれることを増やすためにも出来るだけ魔法は創ってスキルを増やしておこうと決心する俺であった。
「はい、それではホーンラビットの肉二十個納品確認しました。他に依頼報告はありませんか?」
「えーと、薬草と魔力草の採取の依頼を…」
そう言って薬草と魔力草を出す。
受付嬢は少し驚いた顔をし、数え始めた。
「えと、全部で薬草六十束、魔力草四十束、端数はギルドに売りますか?手元に置いておきますか?」
「じゃあ手元に置いておきます。それと、ゴブリン討伐やスライム討伐はどのように報告すればいいんですか?」
「あ、はい、ギルドカードをお預かりします」
そういうと受付嬢はギルドカードを魔道具?に通すと…今度は絶句した。
「…………」
「あの、受付嬢さん?」
「あ、はい、すみません。ゴブリン討伐数八十匹と、スライム討伐数七十五匹をギルドカード記録から依頼読み取り致しました。端数は残っていますので次回の分に繰り越されます」
「ん?依頼読み取りって何?」
「依頼読み取りというのは、討伐記録はギルドカードに残ります。ですがデータを見るだけでは報酬を渡したのか渡してないのかわからなくなってしまいます。ですので報酬お渡しした分だけデータ読み取りすることにより、依頼で読み取った分とそうでない分が分かるようにすることです」
すごい便利なもんがあるんだな…確かにわからないと何度でも報酬もらえてしまうもんな」
そんな話をしながら受付嬢は報酬を用意する。
さて、今回は受付嬢がレイナじゃないことにより驚かれたり絶句されたりしてしまった…レイナさんが常に受け付けにいるわけじゃないし、仕方がないんだろう。だが金がないうちはしょうがないが、これからは出来るだけ目立たないように、ギルドカードはレイナさんがいる時に渡そう。
目立つとロクなことがないのは経験上知っている。最低限ある程度強くなるまでは目立つことのありませんように…
「こちらが今回の報酬です」
ホーンラビットの肉×二十個
報酬…四千リラ
薬草採取×二十束×三回分
報酬…千五百リラ
魔力草採取×二十束×二回分
報酬…二千リラ
ゴブリン討伐×五匹×十六回分
報酬…一万六千リラ
スライム討伐×五匹×十五回分
報酬…一万五千リラ
合計…三万八千五百リラ
「おお、結構あってよかったな!」
「そうね、これで武器や防具が揃えられそう!」
こらならしっかり宿屋の部屋を分けられるしな…同じ部屋なんかになったらどうなることか…
「私たちは魔法があるから防具優先にしない?帰りに寄って行きましょ」
「ああ、そうだな」
「いらっしゃい、うちは武器・防具なんてもいいのが揃ってるよ!」
「すみません、二万リラくらいで二人分の武器と防具を揃えたいんですが、新米なもんであまりよくわからなくて…できれば防具を優先したいんですが…」
「なるほど、二人とも主な武器は?」
「俺は魔法と格闘術、連れは剣か刀をお願いします」
「ふむ、それなら兄ちゃんにはこの、小手と魔力を少し高める胸当て、それと普通のものになるが杖だな、姉ちゃんにはそうだな、このこっちの防御力重視の胸当てに小手、それと普通の剣かな。それで締めて二万リラちょうどにしといてやるぞ」
店員のおっちゃんと話しているとユメノがある武器を持ってきた。
「すみません、この小太刀はいくらなんですか?」
ユメノは二刀の小太刀を持ってきた。
「ああ、それか…小太刀っていうらしいんだが、この世界に使う奴がいなくてな、それなりにいいもんなんだが全く売れないんだよ、その小太刀なら剣の代わりに二本セットにして付けて三万リラにしといてやるぞ?さすがに普通の剣と比べて性能も高いんでこれ以上安くはできんが売れないもんだからな、だいぶ安くはしてるぞ?」
「ねぇ、レンくん、高くなっちゃうけど小太刀買ったらダメかな?」
宿代がいくらかかるか….でも武具に金は使って悪いことはないか…てか断れる雰囲気でもないしな…
「わかった。買おう」
「やった!」
「毎度!」
「ありがと、レンくん!」
「俺一人で稼いだ金でもないからな、しょうがない」
そして俺たちはレイナさんに貰った地図を頼りに安らぎの宿に向かった。
お読み頂きありがとうございます。
ブックマークが少しでも増えていて少し感動しました。
こんなド素人の書く小説ですがこれかも読んで頂ければ幸いです。




