1-5 内緒話
1-5 内緒話
「それではウィズ様、俺たちは迷宮国に行きたいと思います。どのみち大迷宮には挑戦する訳ですし、拠点も迷宮国でと考えてます」
「そうですか、それは良かったわ。迷宮国なら目が届き易いので安心です。影ながらレン様方のことを見守らせて頂きますね」
「ありがとうございます。一つだけ聞きたいことがあるのですが」
「はい?なんでも聞いて下さいね」
「獣人には動物のような耳とか生えてるんですよね?もふもふですよね?」
「え、ええ……とても触り心地の良さそうな立派な耳と尻尾をお持ちの方が多いですね…」
「そうですか、ありがとうございます」
キターー!!
魔物でユートピア!!
獣人の眷属とユートピア!!
結婚もできれば獣人がいいなー…獣人と人の結婚って問題になったりしないよね?
《大丈夫ですよ》
え?何今の?
《私です、ウィズです》
え?ウィズ様、これは念話ですか?
《念話とは少し違いますがそう思って頂いて結構です。信託とでもお呼び下さい。ちなみにあなたの心の声は私に筒抜けですからお気をつけ下さいね?》
マジですか!俺も思春期の男の子なんですが?困るんですが?
《私が視てる時以外は心を視れないのでご安心を、同じ系統の神なので繋がりやすいんですよ》
そうなんですか…こっちから呼びかけたりとかは?
《できません》
まさかの一方通行!?
《それでその…一つお願いがあるのですが…》
むむ、わざわざ信託でお願いということは相当大変なことなのでは?きっとものすごく重要な…
《もふもふなユートピアができたら…》
できたら?
《私も遊びに行っていいですか?》
へ?はい?遊びに?どういう?
《私実は、もふもふが大好きで、いままでの眷属も獣人と撫で心地のいい魔物ばかりで構成していたんです。でも眷属もだいぶ減ってしまい、もふもふ成分が不足しているんです!》
……
《すみません、ダメ…ですか?》
同士よ!
《え?》
おお、同士ウィズよ、もちろんいいに決まってるじゃないですか!
もふもふは愛でるもの!
もふもふ愛好者はみな仲間!
もふもふは独り占めしていいものではない!!
もふもふ空間ができたら真っ先に報告しますよ!
《ほ、本当ですか!?ありごとうございます。やはり私の目に狂いはなかった!レン様あなたこそ次代の魔導神に相応しい!!》
いえいえそれほどでも、もふもふ仲間じゃないですか!当然ですよ!
「レン様、ユメノ様、心からご無事を祈っております。神域にはそう何度もお呼びすることはできないので、機会があればまた地上で会いましょう」
「はい!ウィズ様、また会えたらいいですね」
「ウィズ様、俺もまた会えるのを楽しみにしてます。ウィズ様も頑張って下さい(俺がもふもふ空間を作るまで)。大変でしょうけど(もふもふ成分不足で)」
「ええ、ありがとう。(もふもふ空間を)楽しみにしてますね。では迷宮国のすぐ近くの森に転送しますね。ではまた」
「「はい、また」」
そして俺たちは光に包まれた。
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