1-3 神候補
ここからは基本一日一話でいければと思います。
では、どうぞ
1-3 神候補
光がおさまると、そこはまたもや見たことのない場所だった。しかし今度は部屋一面真っ白である。
そして、正面にはこの世のものとは思えないほどの美女が立っていた。
俺たちは、美女に目を奪われ喋ることもできず呆然としていた。
「恩明蓮様、影護夢乃様いきなりこのような場所にお連れして申し訳ございません。私この世界アルトリアを創造した神の一柱、ウィズと申します。本日お連れしたのはお二人に力を与えたいと考えたからです」
え?どういうこと?神様?力を与える?どうして?意味がわからん?神様とか本当なのか?
「すみません。少し頭が混乱してしまいまして…少し待ってもらえますか?」
「もちろんです」
「影護さんは大丈夫?俺だいぶ混乱してるんだけど…」
「私は大丈夫よ。蓮くんが大丈夫なら話の続き聞きましょ?」
「わかった…すみません。えーと…ウィズ様?どうして僕たちに力を与えようと?神様に力を与えられるようなこと何もしてないと思うのですが…」
うん、何もしてないとはず、特にこのアルトリアでは召喚されてからみんなの説得に失敗しただけだ。
とりあえずは説明を聞いて神様のことや力を与えることなどが本当かどうか判断したらいいか…
「そうですね、順を追って説明します。
理由は後で話しますが、まずは世界の成り立ちから話しますね。
ですが詳しく話さなくていいことは飛ばすのでそれは申し訳ありませんが自分調べてください。時間がいくらあっても足りなくなります。
この世界アルトリアは六柱の神によって創造されました。
六柱の神はそれぞれが特徴のある種族を創り出しました。
海を司る神ニョルは人族
生命を司る神ライフは獣人族
魔法を司る神ウィズはエルフ族
大気を司る神アトモスは龍人族
大地を司る神ムーノはドワーフ族
死を司る神ルシフルは魔族
それぞれの種族は同族どうし寄り添い国を作り始めました。それが今ある七大国のらうちの六国です。
そして最後の一国についてなんですが…
イレギュラーな事態というのはどんな時でも起こるもので、迷宮とよばれる魔物を生み出すダンジョンが自然に発生するようになったのです。
その中でもすべての迷宮の大元と思われているものが大迷宮です。
この大迷宮を調査するために大迷宮周辺一帯を神々で把握できるようにしたのです。そしてそれが七つ目の国です。
また、大迷宮を探索する力を集める為にギルドというものを作りました。そして、そこの長に神の眷属を置くことにしたのです。
ここまでがアルトリアという世界とそれぞれの国の成り立ちです。
ここまでは大丈夫ですか?」
「そうですね…壮大な話しすぎて…」
「大丈夫ですよ、この成り立ちの話については記録水晶に記録してありますので、私のお願いを聞いてくださるならいつでも見れるように一個ずつ後でお渡ししますね」
十分ほど時間を置いて話は再開された。
「ここからが本題です。お二人とも神になりませんか?」
「「へ??」」
二人して間抜けな声がでてしまった。
「厳密にはお二人のうちどちらかに私の力を受け継いでいただき、もう一人には眷属になって、いただきたいんです」
「えーと、意味がわかりません」
「すみません、説明が下手で…実は私はもう長くないのです。神には基本寿命はないのですが、眷属が減りすぎると力を失って死んでしまうのです。もちろん眷属を増やせばすぐ力は戻ります。しかし、眷属との出会いと別れを繰り返しているうちに、このまま存在し続けるのが虚しくなってしまいまして…
このタイミングで私の力を次の神候補に渡して、神に至ることが出来れば残った数少ない眷属と余生というものを過ごしたいと思いまして。
しかし、力を得ればすぐに神になります!なんてことはありません。
この世界での力を得てからの行動によって、職業、称号に神の名が刻まれるようになっています。
力を得てからは自由に生きていただいて結構です。やりたいことをやりたいようにやって下さい。どのような行動が神につながるのかはわかりませんので。
これが私のお願いです」
「なるほど、お願いとやらはわかりました。ですが、神になってしまったら元の世界には戻れないんですよね?」
「どちらにせよ送還方法はアルトリアには存在しません」
ああ、そうなんだ…ないんだ…あの王め、魔王討伐しても帰れないじゃないか…
「神になるメリット、デメリットって何かあります?」
「メリットとの一つは私の魔導神の力は考えつく範囲
であればどんな魔法でも創造できるようになります、なので基本はやりたい放題ですね。さらに神眼が手に入ります。ステータス覗きたい放題ですね。まぁ後は単純に強かったり、成長値に補正がついたり、などなど簡単には死ななくなります。ここまでは神の候補になった時点でのメリットです。神になった後は世界を覗きたい放題です。あとは寿命が条件次第で無限になりますね」
「お、おう」
「デメリットとしては私みたい眷属を減らすとかしないと死ねないってことですね。あと地上で遊ぶことはできますが、何か変化が起きるような干渉ができなくなります。迷宮探索も神になる前しか無理ですね」
ああ、神になったら暇になりそうだな…
「蓮くん、私を眷属にすればいつでも相手するよ?」
「ずっとだまってたかと思えばいきなりなんだ?」
「え?だってどっちかが神になるなら蓮くんだもん。それは私の中で決まってるの。蓮くんが断るなら私も断るし、蓮くんが受け入れるなら私は蓮くんの眷属になるよ!」
「そ、そうか…」
なんか怖いな…それにどうして俺が暇になりそうだと思ったのがバレたんだ?
「眷属は一回なったら解除できないのか?」
「できないですね。眷属の寿命も延びます」
ああー、本格的に眷属増やしたら長生きするしかないのね。長生きっていいことのはずなのにデメリットとして考えることになる日がくるとはね…
でも何千年も死ねないことを考えるとな…
逆にかんがえよう。神になるとして死なないためには眷属を集めないといけないってことだよな?
「そもそも眷属なんてどうやって集めるんだ?」
「私が一番よくやったパターンは、私と契約しませんか?契約したらものすごい長生きできるけど自由が減ります。どうでしょう?って感じですね」
「そんなの簡単に話して周って噂になったり問題になったりしないのか?」
「その話を拒否した相手は数分後にはその話の内容を忘れています。世界の仕組みとしてそうなるようになってます」
「それはまた便利な」
「それに神の話を出したとしても信じてくれる人なんて滅多にいませんから、ただただどのように変化するかを伝えるのみですね」
そりゃそうだろうな…
どうするか?ん?もふもふ天国作れるんじゃ?
「あ、あの…もしかして…もふもふ天国作れますか?」
「なにそれ?」
ですよねー
「えっとですね、毛並みがいい、もふっとした魔物や獣人に囲まれて過ごせる空間のことです!!」
「あ、ああ、そういうことですか…できますよ…(私も似たようなことしましたからね)
このお願いをうけてくれるなら、スキルを弄るついでに今あるスキルも弄ってよりもふもふ天国を作りやすくしておきましょう」
「神になります!!!」
「あ、あら?本当にいいの?」
「はい、条件はもふもふ天国で!」
「後悔はしないわね?」
「はい!もふもふ天国がそこにあるなら!!」
「後戻りは出来ないわよ?」
「大丈夫です。夢が叶うかどうかの瀬戸際なんで!」
「わかったわ…ちょっとそこに座って下さい」
しばらくして…
「ステータス開いてみて、ステータスいろいろ弄っといたから、頑張って神になってね!なれなかったら私の後継者がいなくなり、今から眷属作って今から何千年も生きなきゃダメになるしお願いよ?」
『ステータス』っと
名:恩明 蓮
性別:男
年齢:17歳
職業:神候補
レベル:1
HP:100
MP:800
STR:5
DEF:5
INT:10
MGR:10
AGL:10
LUK:500
加護
魔導神の加護
超越スキル
神眼
魔法創造
眷属化(仮)
固有スキル
ユートピア改
魔力炉
魔回路
スキル
テイム10
格闘術10
棒術10
回避10
隠蔽10
偽装10
並列思考10
HP回復力強化10
MP回復力強化10
称号
異世界人
もふもふマニア
魔導神候補
神眼…
神のみが持つと言われるこの世の全てのステータスが見られる眼。
隠蔽、偽装無効。
魔法創造…
ありとあらゆる魔法を創り出すことができる。
しかし、創り出す時通常の十倍の魔力を消費する。
眷属化(仮)…
神のみが使える眷属化の劣化版。
合意した者を自分の眷属にすることができる。
眷属になったものは、その者の潜在能力が覚醒し、固有能力が増えたりステータスが上がったりする。
主人と眷属の間で情報を共有できる。
主人は眷属の五感を共有できる。
眷属と念話ができるようになる。
眷属化した魔物は召喚することができる。
魔導神の加護…
魔導の神の加護。
攻撃性魔法無効。
レベルアップ時ステータス上昇値に補正大。
MP値に補正大。
LUK値に補正大。
ユートピア改…
異次元にテイムした魔物達の楽園を作ることができる。
どこにいてもユートピアへの出入り口を瞬時に開ける。
ユートピア内のみ、魔物は食事の必要が無くなる。
魔物との親密度が上がりやすくなる。
テイム10を会得。
魔力炉…
魔力容量最大値が増える。
MP上昇値補正大。
魔回路….
魔力使用時の魔力消費を少なくする。
MP消費半減。
「うわ、なんだこのステータス強いな!でも勇者とかも成長率が高いから勇者は神すら倒せる可能性はあるのですか?」
「可能性はあります。ですが成長が勇者よりも劣っているというわけでもありませんし、あなたはそもそも神候補であって神ではありません。
ちなみにステータスの上がり方には、行動、スキル、称号などが関わってきます。
例えば魔法をいっぱい使ってる人は魔力の基本値が低くても魔力が多めに成長します。質の高い戦いをしたり、動き方をするだけでも成長には補正がつきます。
スキルの補正の場合は、例えば、武術系のスキルを多く持っていたり、武術スキルレベルの高い人は攻撃力や防御力や素早さなどが上がりやすくなります。
称号については、お遊びで付けたものに、イレギュラーが起きてステータスに何らかの影響を与えるようになってしまったようなのですが詳細は不明です。
以上を踏まえた上で職業ごとにも成長値に差があります。若い神候補は運が悪ければ人に殺される者もいますが、神候補には高めのステータスとこの世の理を超えた超越スキル、さらにはその神の加護まで与えることになってます。しっかり成長していけば簡単には死なないでしょう」
「わかりました。負けないわけではないので油断は禁物だが、勇者に劣るということもないのですね。
あと気になったんてすが、俺の、スキルを、弄ったり強くするのは地上への干渉にはならないのですか?」
「ああ、そのことなら何事にも例外ってものがあるんですよ」
「例外ですか?」
「私達神は眷属をつくる時、後継者を作るときのみ地上の人間に干渉できるの」
「なるほど、確かに眷属作ることが干渉になってしまうなら眷属増やせないですもんね。
では最後に…何故俺たちだったんですか?」
「それは…この世界はね…権力者がすべての情報を握ってしまってるんです。何かが起きれば簡単に真実を捻じ曲げ公表できます。権力の低い人々はそれを疑いもなく信じています。小さい頃からそうやって育ったのだから仕方がないのかもしれないのですが…
神というのは大きな力を持っています。直接干渉できないといっても、眷属にはその制限は緩和されてもいます。
ですので、慎重に選ばなければ世界が大混乱に陥る可能性もあるのです。
そんな時偶然にもこの世界の常識に染まっていない者達を見つけました。そう、あなた達召喚者です。覗いてみると私魔導神には向かないものばかりでしたが、そろそろ諦めようと思った時あなた方二人が、私の理想に近いことを話し始めたのです。なのでこのチャンスを逃さない為にこちらにお連れしました」
「魔導神に向かないとは?理想に近いとは?」
「はい、基本的に次代の神になれるのは先代の神と近い思想を持った人間とこの世界を造る時に設定してしまい、私の場合は自分で見聞きしたものしか信じない。人を殺す可能性を安易に考えてはいけない。の二つが私の思想に近いと判断できました」
「ああ、だから俺たち二人なのか…わかりました。これからはどうしたらいいんです。神の修行とか試練とかあるんですか?」
「いいえ、何もありません。地上で好きに生き思うように行動してください。魔導神に相応しいとこの世界に判断されれば勝手に神になっちゃってると思いますよ」
「なっちゃってるって…まぁ自由があるならそれに越したことはないか…」
「あ、そうそう、一つだけありました。試練ではないのですが、大迷宮を神になってしまう前に出来るだけ攻略して欲しいのです」
「大迷宮を?」
「はい、大迷宮は我々にとって本当になにかよくわからないものなのです。神になると既に探索済みの階層より下の階層に行くことは干渉することに当たります。なので今のうちにできるだけ深くまで探索していただければ有難いです」
「なるほど、わかりました。できるだけでいいなら探索しておきますね」
「それと、お二人の戻す先なんですが先ほどまでいた城に戻しますか?それともどこか希望はありますか?」
「そうですね…少し相談してもいいですか?」
「わかりました。決まった教えてください。それと私のことはウィズとお呼びください。でわ」
そういうと神様…ウィズ様は奥の部屋?ドアに入っていった。
お読み頂き有難うございます。
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趣味小説ですが楽しんで頂ければ幸いです。




