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1-9 宿屋

1-9 宿屋



「いらっしゃい、安らぎの宿へようこそ。本日はご宿泊ですか?お食事てしょうか?」

「一泊お願いします」

「はい、一泊一部屋三千リラです。。食事は一食二百リラ、風呂は一人百リラです」

「どうする?とりあえず部屋は二部屋として、食事は晩と朝の二食ずつ頼むか?風呂も入りたいよな?」

「明日回復薬も欲しいので一部屋にしようよ!食事と風呂はそれでいいと思うよ!」

「いや、しかし男女で同じ部屋ってのは…」

「私は気にしないよ?」


いや、俺が気にする…ていうか怖い…身の危険を感じます。俺今日メッチャ眠いんだよ?安眠するためにも…いや、しかし回復薬は必要か…命あってこそだしな…くそ…しょうがないのか…


「ぐ…わ、わかった…一部屋に、しよう…」


『メルー起きてるかー、お前ご飯はどーするんだー?』

『起きてるよー、僕はねご飯は適当に魔物の肉でもいいし、人間の食事でも大丈夫だよ?』

『んー、じゃあ普通に人のご飯にしよう』


「じゃあ一部屋宿泊で、食事は朝と晩三人分で、一つは従魔用とかできませんか?風呂は二人分で」

「食事はちゃんと従魔用もあるよ、一食百リラになるからそっちにしとくかい?」

「じゃあそれでお願いします」

「はいよ、それじゃあ一泊四食と二食風呂が二人分で合計四千二百リラになります」


俺たちはそのまま部屋に荷物を置き、食事をしてから風呂に入った。

そして部屋に戻りこれからについての話し合いだ。


「えー、まずはこれからどうしていくかについて話し合いたいと思う。

まず俺からは…

レベル上げとレベルには現れない力をつけること。

この迷宮国に拠点を構えたいので家を購入するための資金を集めること。

の二点だ」

「そうね、私もそれでいいと思うよ。でもレンくんは仲間どうやって増やすつもり?」

「仲間?」

「だって眷属はある程度早めに増やしておいた方がいいんじゃない?」

「そりゃあ早めに増やせるに越したことはないが、無理に増やそうとせず気に入った奴がいれば勧誘って形にしようと思う。奴隷とか買うのも抵抗あるしな」

「そうだねー、私から一つだけ要望だしていい?」

「ん?奴隷について?眷属について?」

「えーと、どちらにしても一緒に暮らす人に男はいない方がいいなーって、私こう見えてレンくん以外の人と一つ屋根の下にっていうのはかなり抵抗があるの…一晩泊めてあげるだけとかならいいんだけど、心が休まらないというか、安らげないというか…」


以外だ、他の女と一緒に暮らすなんて!って怖い感じになるかと思ってた。


「とりあえず、もふもふの楽園には魔物を増やしていき、もふもふ天国は女の獣人にしようと考えてる。さすがに限りなく人間に近い男をもふもふしまくるのは抵抗がある。女なら大丈夫ってのもちょっとどうかとは思うが、男心としては男のもふもふよりは女のもふもふがいいしな」

「うん、私もそれがいいと思うよ!だって、私ももふもふしたいし!でも男の人をもふもふするのは抵抗あるし、怖い…かな…」


あー、そうか…確かにそーだよな、獣人って言っても俺たちとほとんど変わらないもんなー、女の子で全然大丈夫なんてこの方が少ないわな


『僕今日もふもふデビュー?』

「もちろんだ!というか俺が悩んでたのを見てか店員さんがベッド二つある部屋にしてくれたし、俺とメルで一つ、ユメノが一つで別れるぞ」

『オッケー』

「えー」

「なんだよ、えーって」

「私も一緒に寝たいー」

「ダメだ」

「うぅ、レンくん冷たーい」

「本当にユメノは何を考えているんだ?」

「ん?レンくんのことー」

「あ、そうですか…」


俺ホントに同じ部屋で大丈夫かな…まぁなるよーにしかならないよね…


「さて、じゃあ寝るか!メル、抱き枕にしてもいいか?」

『どんとこい』

「お、おう」

「むー、いいなぁ…でも…フフフ」

「ん?なんか言ったか?」

「うんん、今日は諦めるよ!」

「うむ、じゃあおやすみ」

「『おやすみー』」



あーメルの抱き心地半端ねぇな、この毛感触、特に耳の付け根が最高だ…はぁいつまでもこの幸せが続きますように…



〜ユメノside〜


布団に入ってから数時間経った、おそらく三時間は間違いなく過ぎているでしょう。

しかし、ここで寝てしまう訳にはいかない。まず、レンくんもメルも寝てるはずだ。

私はそっと布団から出てレンくんのベッドに近づく。


「レンく〜ん、起きてるかなぁ〜?寝てるのかなぁ〜?」


私は小さい声でレンくんに語りかける。起こさないようにそっと小さな声で…


クフフ、このチャンスを逃したら今後同じ部屋に泊まる可能性はかなり低くなるはず。レンくんの言動から私は嫌われてはないけど特別好かれてもない…

何年我慢してきたか…

まだ間接キスしかできていないのよ?


私はそっとレンくんの唇に私の唇を重ねた…

そのままレンくんの口の…………

そして唇を…………


数十分後…

はぁ、まだまだ満足できなかったけど遂に私のファーストキスを捧げる事ができました。

でもこれ以上はマズイ、バレたら大変だしこのまま引きさがろう…

いや、でも最後に少しだけ…

……………………

ああ、ダメだ、これ以上は歯止めが効かなくなる。引きさがろう…


じゃあレンくんおやすみ!


私は心の中でレンくんに挨拶して眠りについた。



〜メルside〜


もふもふはとても気持ちよかった。これから僕はレン専用のもふもふ係になろう。

しかし、なぜウィズ様に頼まれても許さなかったのに、レンにはいいと思ったんだろう?

昔から誇り高いプライドを持っていいてきたつもりだ。しかしレンとは今日初めて会ったのに最初に見た瞬間からついていきたいと思った。

不思議だ……


そんなことを考えているんとユメノが近づいてきた。


「レンく〜ん、起きてるかなぁ〜?寝てるのかなぁ〜?」


レンに何か用があるのかな?それとも一人で眠れなかったのかな?

聞いたところ異世界は今日が初めて…しょうがないのかな?


そう思い念話で話しかけようと思ったら、ユメノが突然キスをしだした。


え!?ユメノは何をしているんだ?僕は知ってるよ?それキスだろ?キスは好きな人同士が愛を確かめ合うためにするんだろ?なんでユメノは一方的にしてるんだ?僕の知識は間違っているのだろうか?


ユメノはしばらく少し激しくキスを続けていた。


明日聞いてみるかな…そう思いながら僕は眠るのであった。

お読み頂きありがとうございます。

次話も読んでいただければ幸いです。

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