プロローグ
初作品です。
楽しんで頂けると幸いです。
プロローグ
俺の名前は"恩明蓮"。もふもふ動物に囲まれて幸せに暮らす事が夢のごく普通の高校生だ。
だが俺は、いや俺たちは、今日からはもう普通の高校生とはいえないだろう。
その日、俺はいつもと変わらない穏やかな時間を過ごしていた。
高校三年の夏、クラスメイトの一部のグループでは夏休み一週間前ということもあり、海やプールで遊ぶ予定や、旅行の日取りなど様々なことを話し合っている。また別のグループでは、どこの塾がいいかなどを、そのまた別の一部グループでは、今年が最後のチャンスだし告白しちゃえやらなんやら話している。
「恩明、悪いが五組にこのプリント持っていってくれ」
「わかりました」
五組はいろいろと面倒くさいのでいきたくはかったのだが、五組はにはいきたくありません。なんて言えるはずもなく、五組の教室にいくと
「蓮くーん!どうしたの?私に会いに来てくれたの?」
面倒くさいのが来た。この馴れ馴れしいのは"影護夢乃"。去年は同じクラスだった学年トップクラスの美少女だ。
でもおかしいんだ。去年俺は影護さんに告白された。そしてお断りしたはずだ。
俺の中の常識では、告白を断られたら絡んでくる頻度は減るはずだ。
「どうも、影護さん。プリントを持って来ただけだよ。これ配っといてくれるかな?」
「任せて!」
しかし影護さんはかなりの美少女だ。すると当然どうなるかお分かりだろうか?
もちろん周りの男子達の羨むような嫉妬の視線に針のむしろにされている。
くそ、気まずいな。俺は平和にもふもふ生活を送りたいだけなのに。
そんなことを考えていると
「夢乃、その男がどうかしたのかい?こっちにきて、夏休みの計画たてないか?」
本校切っての爽やかイケメン"天川大輝"が話しかけてきた。爽やかイケメンなだけでなく、正義感が強く多くの人に慕われている。
「ごめんね天川くん、今は蓮くんと話してるの!それに私のことは呼び捨てにしないでっていってるでしょ?もう小さくないんだから!」
そう、天川と影護は幼馴染で小さい頃から遊んだりしていたこともあり呼び捨てで呼んでいたみたいだが、そのうち周りから誤解を受けたりなにかと面倒事になるので変えたいようだ。
すると
「君、あんまり夢乃につきまとうのはよしてくれ、夢乃は優しいから君がつきまとってきても相手をしてくれるかもしれないが、流石に幼馴染として見過ごすことはできないよ。」
今の話の流れで?と思ったが周りには俺たちのやりとりは最後しか聞こえていない。俺がつきまとっていて、天川に注意されているの図だ。
その言い分には少し思うところはあるが、特に影護さんに構ってほしいとかはないので、そのままありがたく言葉に従っておくことにする。
「影護さん、邪魔みたいなので僕はそろそろ行くよ」
「え、来たばっかなのに、ちょっとくらいお話ししていこうよ!」
「ごめんね、教室で友達が待ってるから」
というか雰囲気みたらわかるよね?
俺完全にアウェイなの。もう面倒くさいの。
こうして教室を出ようと扉に向かって歩いて行くと
突然周囲が白い光に包まれた。
そして、光がおさまり周りを見ると、この国の人とは思えないような人達が、この時代の人とは思えないような格好で俺たちを取り囲んでいた。