第捌話
『レーヴァテイン!』
無数の火の剣が空中を舞う。
『草薙剣!!』
レーヴァテインの炎が草薙剣によって強化させる。
来未の草薙剣は風をも操る。
風によって酸素がレーヴァテインの方に寄せられ、レーヴァテインの炎が強くなる。
「The end of the strongest creature is told.(最強の生物の終を告げる)」
「Sleep! Eternally!(眠れ!永遠に!)」
『神器解放!!ラグナロクフレイムウィンド!!』
俺がそう唱えると、大量の炎の剣がインブル達に突き刺さる。
刺さったインブル達は一瞬にして燃え上がり、焼死する。
およそ、レーヴァテインの温度は太陽の中心部……1600万度を出していた。
離れている俺たちでさえ、眩しすぎて目を瞑っている。
ちなみに草薙剣の強化無しでは、太陽の表面温度と同等……4000~6000度だ。
全く……来未さんも恐ろしい人だ。
普通、6000度から1600万度まで上げれるものかね〜
「さて、敵を始末した。戻ろうか……っと私はお邪魔しそうなのでお先に〜ごゆっくり〜」
来未さんがダッシュで戻った理由は……
「よう、翠。怪我ないか?」
「え、ええ、お陰様で……さっきの技……って何?」
「ん?ああ、神器解放か?」
神器解放とは、本来の神器の能力を最大限引き出すことは人間では無理だ。
その為普段はリミッターを神器自体がかけているのだが、使用者が望めばいつでもリミッターを外せる。リミッターを外す行為(紅の場合、さっきの言霊)、それが神器解放。
しかし人間では神器解放ができたとしても制御が出来ない者の方が多い。
制御できないと使用者が狂うので、後処理に困るため、無断で使うことは禁止させている。
「ってことだ。」
「そうなのね………」
「ああ………」
「「……………」」
痛い!超痛い!
そして後ろでニヤニヤしてる来未さんが超腹たつ!
「あのね…紅……さっきはごめんね……」
「ああ、こちらこそ、すまなかった。」
「その……悪いと思ってるからさ……これからも……コンビ組んでくれない?」
えっ?
普通あんなの見たら引くだろ。
しかも神器解放って使えるの化け物って呼ばれてるんだけど…
「ダメ?」
その上目遣いは卑怯だぁぁぁ。
「ああ、こちらこそよろしく。」
「本当?ありがとう!」
まあ、連携とか重要だしな……
今のうちは、まだまだ難しいだろうな……
「紅君!敵反応だ!」
「まだ居んのかよ!」
俺たちは辺りを警戒する。
インブルの存在は見えない。
だが、気配は感じる。
とても大きな……そして強力な……
「紅君!上だ!」
俺たちは見上げる………
「はは、あんなサイズ見た事ねぇよ」