第陸話
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救護班に合流したが……
「まあ、素人が本物の戦場に出たらこれぐらいの被害は出るだろうな」
結果は残酷だった。
まさか生徒の中で未だ帰還していないのは俺たちだけだったとは1ミリも思わなかった。
他の生徒はみな、片方が重傷か両方重傷だった。
「おかえり……やっぱり君たちは軽症で帰ってくると思ってたよ」
この教師……この戦いの結果について全て知ってたな………こうなることを…
「先生も只者じゃないですね…」
「お前が居たところはこんな奴らばかりじゃなかったのか?」
「はっ、本当に何もかも知ってるんですね……経験者って感じですか……」
はぁ……じゃあ掃討してくるか……
「頼んだよ〜」
「本当に何もかも知りすぎて同僚を思い出すんでやめてくれません!?」
はぁ………なんで適合者ってこう…変人揃いなんだろ……
「まあ、いいか………良くないか…」
とりあえず今はやるべき事をやろうか……
「レーヴァテイン!!終焉をもたらせ!ラグナロク!!」
すると無数の炎の剣がそれからそれも確実にインブルを殺すように空から落ちていく。
「なに…あれ……」
「うそ……」
「私達無駄に傷を負っただけじゃ………」
「良く聞け!生徒達!言っとくがあれに届くか届かないぐらいまで君たちには頑張ってもらう………まあ、彼は………」
俺はレーヴァテインをしまい、先生達の方に歩く。
「生徒の中で唯一学ぶ必要が無い………経験者だけどね…」
「周辺の討伐は成功しましたが………何ですか?その顔…」
「いや〜べ〜つに〜」
なんか腹立つ!!
何なの!?この学園の教師みんなこんなんなの!?
「それより〜君のパートナーが何か言いたげだよ〜?」
「ん?」
俺はそっと翠の方を向くと………
「なんか!体が震えてる!?まさか怒ってる!?なんで!?俺なんかした!?」
「紅……」
「はい!」
恐る恐る翠の方へと歩いて行く。
「どうして黙ってたの?」
「え?何を?」
「あなたが……その……実戦経験者だって……私達が、1年生の時は歴史とお互いの神器を使った手合わせしかしてこなかった。だから今回が初めての実戦だったの……」
ああ、何処と無くクラスに緊張感があったのはそのせいか……
誰だって初めてのことは緊張する。
それが命を賭けることなら尚更…………
「だからどうして実戦経験者って教えてくれなかったの?」
「…………」
俺は黙る………それを話すと言うことは俺がここに居ることにも関わる……
学園長には来未には話すなと言われている…
さて……どうしたものか……
「そうなのね………あなたのサポートは凄かった……息も合っていた気がしたのに……教えてくれないなんて………やっぱり気が合わないのね………あなたと私は……」
違うと言いたい………
そんなことは無いとハッキリ言いたい……
お前とは気があった……それは確実に俺も思った……
お前が強くなったらコンビを組みたいとも思った。
だけど………
「今は……今は話せない………」
あの日が来るまで……俺の口から話すことは出来ない。
「そう……わかったわ………」
「よし!今回の実戦はこれで終了だ…負傷者を運べ〜」
最後に翠の口から微かに声が聞こえた……
「あなたなら……私の心を開いてくれるかもと思ったのに……」




