第弐話 神器
「やり過ぎたな…」
現在、闘技場のど真ん中。
燃えて砕けたグラム…
そして、土の上で寝っ転がった、翠。
ちなみに彼女には傷一つつけていない。
「グラム…直してやるか…」
俺はレーヴァテインを1本作り出す。
そしてグラムの破片を高熱で溶かし、火で出来た剣の器に注ぎ込む。
そして、数分…元のグラムに戻る…
いやむしろ元のグラムより炎を纏い斬れ味がいいので強化と言うべきか…
「さ、紅君。彼女をどうすればいいか分かるよね?」
「保健室に連れていけ…ですよね?」
「うんうん。そこであんな事やこんな事を…」
「じゃ、行ってきます」
「保健室は闘技場出てすぐ右だよ〜」
そして俺は彼女…翠を抱えながら保健室へ向かった。
「迷った…」
そう学園長に言われた通り闘技場を出てすぐ右へ曲がったのだが…
「ここ職員室じゃん…」
一方学園長は…
「あ、出てすぐ右って職員室だっけ?まっいっか!」
戻って紅…
「はぁ、先生に聞いてみるか…」
職員室を開けるも…
「空じゃん」
そう職員達は今闘技場にいる…紅について話し合ってる為職員室に職員は誰1人いない…
「どうしろと…」
「保健室はここから右に曲がりなさい…そしたら見えてくるわ」
迷ってる紅の後ろからそんな声が聞こえた。
「君は?」
「私は2年6組東 神楽よ。よろしく」
「あ、ああ紅だ。よろしく」
「こんなところで喋ってないでさっさと保健室連れて行ったら?」
「そうだな…ありがとう神楽」
「はい、頑張って」
紅は保健室に向かって走る…
「また後で…」
「おっ!ここか!」
紅は『保健室』と言う看板を見つけた。
「あのすみません!」
開けて中に入るも…もちろん…
「先生いねぇ〜」
さっき言った通り…先生たちはただいま話し合い中…
「とりあえずベットに寝かすか…」
紅は彼女…翠をベットに寝かした。
「えっと傷は特にないし大丈夫かな?」
立ち上がろうとする紅だが、翠に腕を掴まれた。
「行かないで!」
「起き…てないよな…寝言か。まあ無理やり手を退ける必要も無いしいいか…」
紅はしばらく…翠と一緒にいた。
「はっ!あれ?決闘は?」
すると翠は誰かに手を握られていることに気がつく…
「っ!」
そう握っているのはもちろん紅…
「あなた何握って……」
紅を叩こうとしたが翠はあることに気がつくここは保健室…そして今はもう夜を迎えようとしている。
「戦った後だもの…眠くなるのも当然ね…今回は許してあげようかな…」
こうして紅と翠は仲を深めて行くのだった。